「トランプVSハリス」の情勢が一目でわかる「MAGA」VS「迷彩」キャップのウケっぷり

 アメリカ大統領選挙では、トランプ前大統領を象徴するイメージの1つに、「MAGA」(Make America Great Again「アメリカを再び偉大な国に」)と書かれた赤いキャップがあり、ハリス副大統領陣営もこれに対抗。公式HPで「迷彩キャップ」を売り出し始めた。

「迷彩キャップは、8月6日に副大統領候補に指名されたミネソタ州知事のティム・ワルツ氏を象徴するものだからです。ワルツ氏はもとは教師で、24年間州の防衛軍を務めた人物で、言ってみれば白人アメリカ男性の庶民派オジサン。娘と絶叫マシンに乗った時や、ハリス氏から携帯電話で副大統領候補の打診を受けた際もTシャツにキャップ姿で、その姿をSNSに動画として上げるなど気さくなイメージで売っています。この副大統領候補の打診があった際にかぶっていたのが迷彩キャップだったので、ハリス陣営はこれをトランプ陣営に対抗するアイコンとして売り始めたというわけです」(全国紙記者)

 そこで公式HPで確認すると、キャップの正面には「HARRIS」の文字の下に、やや小さめの字で「WALZ」とプリントされている。ワルツ指名の当日から売り出したところ、30分で用意していた3000個が完売したという。なお値段は40ドル(約6000円)。色違いが4種類あるが、迷彩柄なのでほとんど違いはない。そして「アメリカファースト」を言いながら、トランプ氏の「MAGAキャップ」はアメリカ製がわずか5%という報道があったのに対し、「ワルツ迷彩キャップ」には、わざわざ「100%アメリカ製」と明記されている。

 だがグッズ対決だけで見れば、ハリス陣営はいささか心もとない。というのも、グッズの多くが民主党カラーのブルーのTシャツやマグキャップなどでありきたりな一方、ド派手なトランプ陣営はバリエーションが豊富だからだ。

「7月中の共和党の全国大会では、プロレスラーのハルク・ホーガンが登場。Tシャツを破くお得意のパフォーマンスを披露しつつトランプ支持を表明しましたが、そのホーガンが来ていたいかにも“ザ・USA”的なイメージの星条旗カラーのタンクトップや、金をほどこしたトランプ・スニーカーを販売。同じTシャツを売るにしても、自らの刑事被告人の立場を逆手に取った『マグショット』(被疑者が撮られる写真)をプリントしたものだったり、派手でアメリカン・ジョークが利いています。さらにはトランプ・タワーを模したような香水やトランプ氏がスーパーマンのようなヒーローのかっこうをしたNFTトレカなんてものもありました」(同)

 だがバイデンの選挙戦撤退後、ハリス陣営の巻き返しが目立つ今日この頃。今後は「MAGAキャップ」と「ワルツ迷彩キャップ」のどちらを被っている人が多いかで、案外、大統領選も決まるかもしれない。

(猫間滋)

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