地区優勝を決め、ポストシーズンに備えるヤンキース・田中将大に“意外な援軍”が現れた。
「田中は今年が7年契約の6年目。メジャーリーグでは満了前に新たな契約を交わすのが通例なので、今年は実質最終年みたいなものでした」(特派記者)
田中は2014年、「7年1億5400万ドル(約160億円)」の大型契約でヤンキース入り。田中はヤンキース残留を望んでおり、今季は「15勝以上、200イニング強」の目標を立てていた。しかし、11勝8敗、投球回数も179イニングにとどまり、防御率も4点台と振るわなかった。好不調の激しいシーズンだったと言っていい。
「メジャーリーグは今季からボールの質感が少し変わりました。新しいボールにしっくりこない時期があり、どうも変化球の軌道がイメージ通りにいかず苦しんでいたようです」(同前)
田中サイドはすでにヤンキースと再契約に関する“意見交換”を始めている。「5年の長期契約」が田中サイドの希望だが、ヤンキースは「ちょっと長すぎる」という反応だそうだ。
来季前半には再契約したいとしており、田中とすれば、ポストシーズンで強いインパクトを残しておきたいところだろう。そんな田中に「ニューヨーク残留」を強く願う後方支援者が現れた。なんと地元自治体だという。
「ヤンキースの本拠地がニューヨークであることは言うまでもありませんが、実は地元に住んでいる選手はあまりいません。田中は数少ない“ニューヨーク市民”なのです」(同前)
理由は簡単だ。ニューヨークは全米で最も高い州税に加えて市税が加算される。それでフロリダに居を構える選手が少なくないのだ。通うとなると飛行機で約2時間半。遠距離住まいの選手はシーズン中、ホテル住まいしているそうだ。米国人は家族との時間を大切にするが、「単身赴任になっても」と思わせるくらい税率が違うのだという。
つまり、田中が高額年俸を勝ち取ってくれれば、地元行政は万々歳。それで「田中は必要なピッチャーだ」と応援しているそうだ。
「田中は『10月男』とも言われています。一昨年のポストシーズンで大活躍し、去年もレッドソックス相手にチームで唯一、勝ち星をあげています」(同前)
ポストシーズンの成績は契約更改にも大きく影響する。田中がマウンドに上るとき、スタジアムは地元行政の大声援に包まれるだろう。
(スポーツライター・飯山満)