阪急が初の指定席車両「PRiVACE」を運行 関西で「有料座席」続々登場のナゼ

 阪急電鉄初の有料の座席指定車両「PRiVACE(プライベース)」が7月21日から運行を開始する。

「PRiVACE」は、“Private(プライベート)”と“Place(プレイス=場所)”をかけ合わせたネーミングで、「自分だけのプライベートな空間」がコンセプト。

 阪急京都線の大阪梅田~京都河原町間で「特急」「通勤特急」などの列車に新しく導入され、通常車両の4列シートを3列にしてゆとりのある空間に。8両編成の4両目に設置され、40席限定。運賃に追加で500円支払うことで乗ることができる。

 さらに車両には無料のWi-Fiサービスや電源コンセントがあり、始発から終電まで1時間に2~3本の頻度で運行する予定という。

 このところ、関西では有料座席の導入が続いている。

「先駆けとなったのは南海の『特急サザン』。1985年に運行が開始され、座席指定4両と自由席4両の8両で編成。座席指定券は520円です。2017年には京阪電車が座席指定特別車両『プレミアムカー』を導入。プレミアムカー券は距離により400円と500円。19年にはJR西日本が有料座席サービスの新快速Aシートを導入。指定席券は840円、チケットレス指定席券だと600円です」(鉄道ライター)

 有料座席が次々と導入される背景には何があるのか。

「通勤・通学にも使われる鉄道の乗客はだいたい6割が定期券、4割が定期券以外。しかし定期券は割安なので売上は定期券が4割、定期券以外が6割となります。この定期券以外の部分の売上を上げるために有料の座席指定車両を導入しているといわれます」(同)

 阪急の「PRiVACE」は、7月9日午後1時から専用のウェブサイトで予約が開始された。果たして人気のほどはどうなるだろうか。

(鈴木十朗)

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