「ネコノミクス」2兆円がコロナ危機を救う【2】スター猫ならギャラは30万円

 ニャンニャンニャンと2が並ぶ2月22日は「猫の日」。しかも、今年は2022年だ。鎌倉時代から800年ぶりの2が6つも並ぶ「スーパー猫の日」だった。

 当日は全国各地で猫アメ、猫パン、猫まんじゅうが限定発売。また、駅名に「ねこ」が入った新京成電鉄「高根公団駅」や大井川鐵道「川根小山駅」では記念切符を発売するイベントと、猫の尻尾を踏んだような大騒ぎとなった。

 猫駅長など鉄道と相性がいいためか、阪急電鉄では小豆色の阪急電車カラーをベースとした「猫車掌さん」のパスケースなど、グッズ6種類を数量限定で発売した。この商品を取り扱った生活雑貨「猫部 クリスタ長堀店」を直撃すると、

「おかげさまで、グッズは即日完売しております。ですが、当店では猫デザインのクッキー、スイーツなどのほか、猫防犯グッズなども販売中ですので、お気軽にお立ち寄りください」

 鉄道ばかりか、自動車業界も猫人気に相乗りする始末。

 20年に、猫用軽自動車「にゃっさんデイズ」を発表したのは日産自動車。同年のRJCカーオブザイヤーを受賞した「デイズ」の猫用ではなく、猫サイズのミニチュア「デイズ」を操縦するウェブCMを作成したのだ。

「当社では『クルマに興味があるお客さまは、猫好きかも』との仮説を立て、独自調査を実施。その結果、クルマを購入したいと思っている20〜40代女性の約8割が猫好きであること、さらに約6割が普段からSNSなどで猫の画像を見ていることが分かり、この企画が実現しました」(日産広報部)

 この動画の再生回数は、シリーズトータルで495万回(1月18日現在)。お出かけ猫用キャリーバッグのプレゼントには1万件超の応募があったという。

 テレビCMも負けてはいない。「ニューロ光」では大泉洋(48)の前で猫軍団が躍り、「ふるなび」では貴乃花光司(49)が抱っこ、「ワイモバイル」では芦田愛菜(17)と共演中だ。CM制作関係者が明かす。

「ペットモデルの猫たちは事務所が飼育する場合もありますが、手間暇がかかるため、多くは個人が飼っています。その飼い主が事務所に登録しているのです。つまり、誰の猫ちゃんでもCMに出演できる可能性があるわけです」

 ちなみに、オーディションでは表情、毛並みのツヤ、撮影中のおとなしさなどが重視されるとか。このオーディションをクリアした猫の中からスターが生まれることもある。

「普通の猫なら1日9万円程度のギャラですが、写真集を出す『スター猫』となれば、30万円の高値に。もっとも飼い主は、お金より自分の猫の晴れ姿を見るだけで満足らしいですが」(CM制作関係者)

 ひな壇芸人がビックリするようなギャラなのに、猫好きの欲の皮は突っ張っていないようで。

*「ネコノミクス」2兆円がコロナ危機を救う【3】につづく

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