並ぶなキケン!?「日本一危ない駅」はどこがヤバいのか?

 関西有数の乗降客数を誇り、大阪の玄関口でもある梅田駅。そこから900メートル離れた中津駅は、鉄道ファンの間で〝日本一危険な駅〟として知られている。なぜそう呼ばれるのか、その理由はホームの幅の狭さにある。

 通常、駅では列車到着前に「黄色い線の内側に下がってお待ちください」というアナウンスが流れるが、ホームの両側を線路が走る中津駅の黄色い線の内側はわずか38センチ。人ひとり分のスペースしかなく、並ぼうとすれば黄色い線の外側にはみ出してしまうのだ。

 この駅は阪急電鉄の神戸本線と宝塚本線の停車駅。それも各駅と準急以外は通過し、さらに全列車通過扱いの京都本線も走っている。しかも、かなりのスピードで駆け抜けるので風圧がものすごく、踏ん張ってないとよろめいてしまいそうになるほどだ。

 梅田駅に乗り入れる阪急線がすべて停車、または通過するため、1日中ひっきりなしに列車が通る。おまけに駅周辺は住宅地のうえ、乗り換え駅でもあることから朝のラッシュ時には、黄色い線どころかホームから人が溢れんばかりの混雑ぶり。過去には線路への転落や列車との接触事故が何度も起きている。

 近年、首都圏や関西圏の駅で見かける転落防止用のホームドアも幅が狭すぎるため、設置が困難。ベンチやゴミ箱も他の駅に置いてあるものと見た目からして異なり、どちらも省スペース仕様のデザインになっている。

 発着本数が多いのでホーム両側に同じタイミングで列車が到着することも多く、その際の圧迫感はこの駅でしか味わえない。そんな中津駅は昔ながらレトロな高架駅で、駅改札を出た先には大阪の下町情緒を残す昔ながらの大衆酒場もある。

 ただし、酔ってふらついた状態では普通の駅以上に危険なのは間違いない。飲酒後に訪れる場合は気をつけたほうがいいだろう。

(高島昌俊)

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