勝因は握手!?渋野日向子は握手でストロークを安定させていた

 全英女王のシブコこと、渋野日向子が「デサントレディース東海クラシック」で劇的な逆転優勝を飾った。凱旋帰国後5試合目の勝利で賞金1億円を突破、賞金女王も射程に捉えた。

「メジャータイトルを獲得し、人生が変わったと本人もこぼしていましたからね。行く先々で注目を浴び、試合に集中するのも大変だったと思います」(専門誌記者)

 常に大ギャラリーに囲まれ、マスコミの対応にも追われた。体調を崩し“シブコスマイル”も減りつつあったが、ちびっこファンのサインや握手の求めには膝をついて同じ目線になって積極的に応じてきた。

「じつは渋野の強気のパットも握手で作られた」というのは先の専門紙記者だ。どういうことか?

「渋野は腹筋を使ってストロークすることを心掛けているんです。そのために右手1本でパッテイングする練習を採り入れていますが、その際左手は、後ろから引っ張るようにホールに対して後方に立った人と握手したまま打つ。体が流れたり頭がブレたりすると左手が引っ張られてミスヒットになりますが、それを腹筋で打つように意識すると手打ちにならずパットが安定するというのです」

 渋野の体幹の強さは、あのレジェンド青木功プロをして「男子プロにもなかなかいない」と言わしめたというが、ここ一番のパットの安定感も、こうした独特な練習法によって培われているようだ。

 メジャー覇者としての重圧で自分を見失いつつあったが、この試合では「久しぶりにゴルフを楽しめた」と渋野。激動の1カ月半でさらに逞しくなった弱冠20歳は、さらに優勝回数を重ねていきそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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