パリ五輪出場も逸して…韓国サッカー「アジア杯惨敗」でわかった「韓国スポーツ界」の衰退

 サッカーU-23アジア杯カタール大会で、ウズベキスタンに1-0で勝ち、優勝したサッカーU-23日本代表。決勝戦の3日前に行われた準決勝でイラクに勝利し、8大会連続12度目の五輪出場を決めていたが、今大会における日本代表の戦いは、決して盤石と呼べるものではなかった。

「予選リーグ最終戦では『宿敵』韓国に破れ、2位通過でした。また、トーナメント初戦の地元カタールとの試合では、前半にカタールに退場者が出たにもかかわらず、延長戦にまでもつれこみましたね」(スポーツライター)

 とはいえ、優勝と五輪切符を手に入れた日本代表に賞賛の声は多い。

 ところが、そんな日本と対照的なのが韓国だ。日本戦には勝利したものの、同国は準々決勝のインドネシアにまさかの敗戦。これにより、10回連続を目指していた五輪出場が消えてしまったのだ。

 だが、韓国の悲劇はサッカーだけではないという。

「韓国の大手紙『中央日報』によれば、今回のパリ五輪で期待される金メダル数は多くて6個だといいます。でも、実は、パリ五輪に出場が決まっている韓国の団体球技は女子ハンドボールだけ。サッカーのように、メダルどころか出場すらできなくなっているのが現状なのです」(前出・ライター)

 選手層が薄くなってしまったことも韓国スポーツ界の抱える大きな問題だという。その背景として挙げられているのが、少子化と、やや時代錯誤的な政府のスポーツ育成方針だと言われる。

「科学的根拠に基づいた新しいトレーニング方法を取り入れることに躊躇したり、軍隊のキャンプのようなスポ根的教育でなんとかなる、と考える指導者がいまだに多いようです」(前出・ライター)

 隣国の現状と日本を直接比較する必要はないが、少子化など、共通の問題も孕んでいる。対岸の火事と傍観しているわけにはいかないのかもしれない。

(猫間滋)

スポーツ