パリ五輪裏でキナ臭い山下泰裕氏に代わるJOC会長“椅子取りゲーム”

 100年ぶり3度目の開催となるパリ五輪が、いよいよ7月26日に開幕する。日本オリンピック委員会(JOC)では過去最多となる20個の金メダル(これまでは04年アテネ大会16個)を目標に決め、海外開催大会では史上最多となる総勢400人超えの選手団が熱い闘いを繰り広げることになる。

 ところが、JOCはパリ大会に向け万全の体制とは言い難い状況だ。山下泰裕会長は昨年10月に転倒して頚椎を損傷。リハビリ中との情報があったなか、今年3月には山下会長の主治医から「パリ五輪への帯同は不可能」とドクターストップがかかり、五輪の大舞台をJOC会長不在で迎えることとなった。

 任期満了が来年6月の山下会長に代わって、選手団長はJOCの尾縣貢専務理事が務める。評議員会からは「会長の長期不在は異常事態。パリ五輪に向け新会長の選出も検討すべきだ」との声も出ていたが、尾縣専務理事は「五輪を控えた大切な時期に体制変更は好ましくない」とこれを一蹴している。

 そうした中での“次期JOC会長”候補には、小谷実可子、有森裕子らオリンピアンが浮上しているのだが、他にも“大穴”がいるという。

「日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三前会長です。というのも、パリ大会の選手団長は尾縣専務理事、そして副団長には柔道日本代表前監督の井上康生氏、元柔道女子日本代表の谷本歩実氏に決まっていますが、もう1人が、医師の土肥美智子氏。土肥氏は田嶋氏の夫人なんです。しかし、田嶋氏となると若手を推す関係者との摩擦は避けられないでしょうね」(夕刊紙記者)

 そもそも山下会長と田嶋氏は同郷(熊本)で、田嶋氏は山下体制のもとJOC副会長を務めたこともある。JFA関係者は「田嶋さんがJOC会長になる話はJFA会長時代から耳にしていましたから、就任したとしても何の驚きもありません」と話す。

 JOC会長選びの椅子取りゲームは何やらキナ臭い雰囲気が漂っている。

(小田龍司)

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