暴行事件の“怨念”宮城野部屋が伊勢ケ浜部屋に合流で「元白鵬派VS照ノ富士派」一触即発

 大相撲の宮城野部屋で所属力士らの伊勢ケ浜部屋への引っ越し作業が始まっている。本場所が終わり1週間はどの部屋も休暇を取るが、その期間が移動に当てられた。

 日本相撲協会では宮城野部屋問題で「当面閉鎖」という処分を決めた。佐渡ケ嶽広報部長(元関脇琴ノ若)曰く、「今後の宮城野部屋の力士にとってベストな方法を、執行部と(伊勢ケ浜一門)一門とで段階を踏んで話し合ってきた。制裁を加えているわけではない」とのことだが、伊勢ケ浜部屋への転籍を受け入れられない力士が複数いるという。

「伊勢ケ浜部屋は45ある相撲部屋の中で最も厳しい稽古をすることで有名。稽古不足が指摘される昨今、通常は1日1力士30番ぐらい相撲を取るのですが、伊勢ケ浜部屋は100番近く取りますからね。伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)の方針により暴行事件で引退した日馬富士と、横綱照ノ富士、2人の横綱を輩出できたのは、まさにこの鬼稽古のおかげ。そして春場所では110年ぶりとなる新入幕優勝を達成した尊富士もこの鬼稽古に耐えてきた。宮城野部屋の力士にとっては質量ともにトップの伊勢ケ浜部屋の稽古に耐えて番付を上げるチャンスとも言えますが、稽古嫌いな力士は及び腰になりますよ」(夕刊紙記者)

 もう一つ、転籍には懸念がある。宮城野親方(元横綱白鵬)と照ノ富士の“不仲”だ。

「2017年に起きた日馬富士暴行事件の際、宮城野親方が膝の悪い照ノ富士にも『正座しろ!』と延々説教をしている。この件以来、2人の関係が最悪であることは協会内の誰もが知っていること」(古参の相撲記者)

 転籍しても白鵬を慕う宮城野部屋と、照ノ富士を信奉する伊勢ケ浜部屋の力士どうしが“一触即発”の緊張状態に突入する。

(小田龍司)

スポーツ