プロ野球ペナントレースは、セ・パ同時に3月29日に開幕する。そこで改めて今季のNPBの特例事項、アグリーメントなどを確認したところ、意外なハンデキャップが見えてきた。出場選手登録は31人、ベンチ入り26人、外国人選手の出場登録5人。つまりコロナ禍のときと同じ人数増のままなのだ。
「通常、出場選手登録29人、ベンチ入り25人、外国人選手の出場登録4人です。ザックリ言うと、人数増はコロナ禍での選手の負担減と、チーム内や選手の家族から感染者が出てしまった場合でもゲームを成立させるためだったんです」(スポーツ紙記者)
また、新型コロナ感染者や濃厚接触者が一軍の出場選手登録を抹消された場合、通常の10日を待たずに再登録が可能になるようにしていた。今季からは「感染症特例」の名目で、インフルエンザの感染や予防接種による体調不良も特例の対象に加えることになった。万が一に備えることには大賛成だが、こんな見方もできる。
「『一軍戦出場の登録選手数を増やす』ということは、高年俸の選手や外国人選手を多く抱えられる“カネ持ち球団”が有利になるとも解釈できる。選手増のコロナ特例が設けられたのは2020年。一時期のような大流行も見られなくなったなか、選手数を通常ルールに戻さない感染症特例の導入は3月の実行委員会まで持ち越されていたものの、強い反対意見は出なかったといいます」(夕刊紙記者)
反対意見が出たかったのは、やはり有事に備えるためと言えるが、
「選手会との衝突を避けた節も感じられました。29人に戻せば、FA取得が遅れる選手が各球団から2人出るようなものですからね。ただ、30人目と31人目にも好選手を抱えた層の厚い“カネ持ち球団”が有利になる可能性は否定できません」(前出・記者)
球団格差が露呈しなければいいが…。
(スポーツライター/飯山満)