2月に史上最高値を更新し、3月には初の4万円を突破した日経平均株価。しかし快挙は、はかない夢のごとく4日連続で下落し、一時は最高値からの下落幅が2000円を超すなど、大暴落とさえ言っていい惨状。特に今年から株を始めた人は気が気でないだろう。果たして損切りすべきか、持ち続けるべきか――。
今年1月からスタートした新NISA。非課税投資枠は1800万円、投資上限額も年間360万円までと大幅アップし、非課税保有期間が無期限に。これはチャンスだ、とばかりに飛びついた人は多いだろう。中にはこの機会に生まれて初めて株を買ったという初心者も少なくないはずだ。
そんな矢先に日経平均株価が史上最高値を更新。初の4万円突破と浮かれたのも一瞬で、すぐさま急落に転じ、スワッ、バブル崩壊の再来かと騒がれた。初心者にとっては、通過儀礼というにはあまりに急な乱高下。この先株を続けていいものか、痛い目をみる前に撤退するべきか、迷っている人も多いはずだ。
とはいえ、新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」がある。それまではつみたてNISAと一般NISAは併用不可だったが、新NISAで併用可能となった。
まず「つみたてNISA」に預けている人なら、目先の株価の乱高下は気にしなくていい。目的はあくまで長期投資としての将来の資産形成だから長い目でみることが肝要。そもそも、つみたてNISAは基本「インデックス投資」に「ドルコスト平均法」で安い時ほどたくさん買えるので、個々の銘柄の株価で一喜一憂する必要はない。
問題はもう1つの「成長投資枠」だ。今後成長すると信じて買った銘柄が下がれば誰しもうろたえる。このまま持ち続けた方がいいのか、それとも売った方がいいのか? 個人投資家で公認会計士・税理士でもある足立武志氏はこう語る。
「個人投資家の悩みで圧倒的に多いのが、株価が下がっても持ち続けた結果、多額の含み損を抱えてしまう〝塩漬け株〟です。投資金が〝死に金〟になってしまい、資金効率を大きく落としてしまいます。そこで私のお勧めは、株価がどこまで下がったら損切りの売却をするか、をあらかじめルールとして定めておく。これを遵守することで、塩漬け株を回避できます。例えば私は『25日移動平均線を割り込んだら損切り』と決めています。おかげで2020年2~3月のコロナ・ショックでの急落も、ほとんどダメージを受けずに乗り切ることができました」
この場合、損切りラインをどのように設定するか、という難しさはあるものの、最近では損切りラインで自動的に売買してくれる「逆指値」なら躊躇なく売れる。良策だろう。
(つづく)