「岸田首相は逃げ切ったのか!」株価暴落で新NISA組が恨み骨髄

 8月5日の東京株式市場で、日経平均株価は史上最大の下げ幅を記録。前週末に比べ4451円安い3万1458円で取引を終えた。

 一夜明けた6日の日経平均は一転、買い戻しの動きが広がり、前日比で3200円以上値上がりし、今度は過去最大の上昇幅となった。今後は上げ下げを繰り返しながら、じりじりと上値を切り上げていくと想定されるが、市場では新NISAで投資していた人の狼狽売りも見られ、まだまだ混乱は収まりそうにない。

 今年1月、政府はNISAの非課税投資枠を拡大し、国民に投資を促してきた。岸田首相は「新しい資本主義」の中で「資産所得倍増計画」を掲げ、「投資は経済成長の最も大きなエンジンとなり、経済成長が賃上げに繋がり、賃上げが経済成長に繋がります」と主張してきたが、今回の暴落で「騙された」と感じた国民も少なくなかったようだ。

 実際、今回の暴落は新NISAで投資を始めた初心者に大きなショックを与えているようで、非難の矛先は貯蓄から投資を推し進めてきた岸田首相に向けられている。中でもターゲットにされているのが、岸田首相の「資産」だ。

「昨年10月に公開された岸田首相の公開資産は2億868万円でしたが、その中に株式はありませんでした。あれだけ国民に投資を煽っていた岸田首相自身が、実は株式を全く保有していなかったのですから、国民の怒りはさらに倍増しています。特に今回の急落で狼狽売りしてしまった一部の新NISA組の間では、『自分だけ逃げ切ったのか』と、岸田首相に対する恨み節が渦巻いています」(マネー誌ライター)

 今回の急落をきっかけに、国や金融機関が推し進める新NISA制度への信頼や首相自身の投資姿勢について、議論が勃発している。「新NISAは儲かる」と踊らされていた層は、今後の投資戦略を見直すいいきっかけになったのではないだろうか。

(ケン高田)

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