ソニーグループがプレイステーション(PS)5対応のVRヘッドセット「PSVR2」の生産を販売低迷により一時休止状態にしていると、米ブルームバーグが報じた。
「ブルームバーグによると、2023年2月に発売されたPSVR2はこれまでに200万台以上を生産しましたが、販売の減速により組み立て済みの在庫が大量に積み上がった状態になっているといいます。そのため、昨年末からは生産を一時休止しており、在庫が解消するまでは再開されない見通しという。PSVR2は販売開始からおよそ2カ月で60万台超を販売し、初代PSVRを初期売上で上回ったと話題になっていましたが、厳しい状況が続いているとみられています」(経済部記者)
16年は“VR元年”とされ様々な関連商品が発売されたが、あれから8年経った今、VRは普及したかと聞かれれば、「NO」と言わざるを得ないだろう。セルフ型アンケートツール「Freeasy」が1300万人の会員を対象に昨年12月に実施した調査では、VRを「現在使っている」「過去に使っていた」と回答したのは2割にも満たなかったことが分かっている。
「Metaの『Quest 2』は今年頭に値下げし、Appleの『Vision Pro』も事前予約で注文された以外の販売が低迷、25年に発売予定だった第2世代は27年に延期されたとの報道も出るほどVR機器の売上は芳しいとは言えません。原因は価格の高さやヘッドセットのデザイン性、装着する手間などが挙げられますが、やはり一番はキラーコンテンツがないことでしょう。ファミコンにおけるマリオのような、これを遊びたいからこのハードを買うという明確なものがないため、多くの人がVRを購入しても持て余してしまうと考え、手に取るまでに至らないのだと思います」(ITジャーナリスト)
逆に言えば、キラーコンテンツさえ複数登場すれば、すぐにでも爆発的なヒットとなりそうだが…。
(小林洋三)