ドコモも65億円出資!「メタバース」で一挙に広がる日本のバーチャル化社会

 10月28日、フェイスブックが社名を3D仮想空間の「メタバース」を冠したメタに変更してから、メタバースに注目が集まり、続々と参入の動きが広がっている。

「中国でもメタバースの中国語訳の『元宇宙』が株式市場のトレンドで、関連銘柄が軒並み急騰しています。テンセントやアリババがこぞって参入の意向を示していて、バイドゥやTikTokを運営するバイトダンスも今後、参入を示す予定です。アメリカでもグーグルの親会社のアルファベットやスナップチャットのスナップが拡張現実(VR)に既に注力していて、マイクロソフトやディズニーもメタバース分野への投資を開始しています」(経済ジャーナリスト)

 この分野への進出ではフェイスブックが大きく舵を切った形だが、上記のような各企業の動きもあって、VRは既に現実のあちこちで導入されている。

 日本勢も負けてはいない。11月15日にはNTTドコモがVRを用いたイベント開催などを行う企業の「ヒッキー」の第三者割当増資で65億円を引き受けると発表した。ヒッキーが外部から出資を受けるのは初めてで、しかもNTTドコモから65億円というのだからいかに急速にこの分野への注目が集まっているかが分かる。ヒッキーは18年5月の設立で、VR空間内でアバターが3次元のアイテムや洋服などを実際に売買し合うといった事業などを手掛け、年に2回「バーチャルマーケット」を開催し、今や来場者は100万人を超えるという。

「例えば、19年に渋谷109で行われたイベントも同社が手掛けたものです。どんなイベントなのかといえば、遠隔地にいる店員がバーチャルで実際の客に接客・販売を行うというものでした。共同で企画・運営を行ったのは若者向けのアパレルのウィゴーです。このイベントもヒッキーが開催するバーチャルマーケットと連動して行われたものでした」(前出・ジャーナリスト)

 同様の動きは各所で広がっていて、例えば新宿ルミネでは人間と会話ができるAI搭載のバーチャルヒューマンの「アデラ」が店員として2つの店舗で採用されている。他にもサントリーでは「山鳥水生(やまとりみずき)」というイケメンのバーチャルヒューマンがバーチャル社員としてデジタルマーケティングを担当している。バーチャルではあるが歴とした社員なので、インスタのアカウントも存在。そこには、「サントリーのバーチャル社員やってます!」とあって、「美味しいお酒にぴったりなごはん作り特訓中!」とのことで、TikTokもやっているとある。

 彼・彼女らはバーチャルなので、3次元の物理的拘束がないことで使い勝手が良い。日常にバーチャルヒューマンが溢れる社会はもはや目の前に来ている。

(猫間滋)

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