スリーマイル島の閉炉を再稼働する!米・巨大IT企業が突き進む「AIの電力に自前の原発」

 AI技術のめざましい発達が世界を変えようとしていることに異論を挟む余地はないだろう。だが、そんなAI業界では、巨大なデータセンターで大量に消費される「電力」をどう賄うかということが重要な課題になっているという。

 もっとも、アメリカの巨大IT企業ともなれば、自前で原発を動かしてしまう時代となっている。

「フェイスブックやインスタグラムのMetaは、米・ルイジアナ州で100億ドル規模のデータセンター建設を打ち出しましたが、同時に、原発から電源を調達する計画を発表し、原発事業者からの提案を募集しています」(経済ジャーナリスト)

 募集の文言の中には、原子力発電は「安定したベースロード電源」であり、「クリーンで信頼性が高く、エネルギー移行の中で、極めて重要な役割を果たす」とある。巨大IT企業の間では、原発からの電源調達は既定路線となっているようだ。

「マイクロソフトは、あのスリーマイル島の原発を再稼働させて電源調達するプランを打ち出しています。アマゾンは小型原発建設に約5億ドルを投資。グーグルは、従来の原子炉よりも安全性が高いと言われる先進炉からの電源供給契約を電力会社と締結しています。これは、全てこの半年ほどの間に行われたものです」(前出・ジャーナリスト)

 原発が大量に建設される、という話にぎょっとした人もいるかもしれない。だが、AIの電力供給に原発を使用するというケースは、実は世界の趨勢のようなのだ。

(猫間滋)

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