藤浪晋太郎の所属先はいつ決まるのか?
前日本ハム・上沢直之がレイズと契約し、日本人メジャーリーガーで移籍先が決まっていないのは藤浪だけになった。代理人のスコット・ボラス氏は「オファーは来ている」と言うが、その発言の内容は昨年12月のウインターミーティング以降、何も変わっていない。
「地元球団を応援するいくつかの専門メディアで、藤浪の名前が取りざたされました。獲得したら面白い、戦力になってくれそうという期待を込めたものもあります」(在米ライター)
例えば、カージナルスの専門メディア「Redbird Rants」は、こう伝えていた(1月12日付)。
《(米FA市場の去就未定で)獲得できる投手のなかで、意味がありそうなのは、ファイアーボーラーのフジナミだ》
リリーフを強化するために獲得すべきとの論調だが、「ファイアーボーラー」との形容詞をつけていた。まるで、火の玉男。スゴいボールを投げるのは間違いないが、キャッチャーミットに収まれば、の話である。
23年シーズン、64試合に登板して与四球45、与死球7。米国の野球ファンにも藤浪の制球難はしっかり知れ渡っている。標的はキャッチャーミットではなく、デッドボールの多さを皮肉っているような気がしないでもない。
「『Redbird Rants』は、カージナルスをメインとした野球記事を報じています。松井裕樹がパドレスと契約する前、彼を獲るべきだと主張し、その影響もあって、松井はカージナルスと契約するのではないかと見ていた米国ファンもたくさんいました。日本を代表する左腕リリーバーの獲得に失敗したことを受けて、その補填的意味合いで藤浪獲得論が出てきました」(前出・在米ライター)
米FA市場は高い成績を残した選手から順に所属先が決まっていく傾向が強い。藤浪の新天地が決まるのはまだ先になりそうだ。
(飯山満/スポーツライター)