自民党の派閥の政治資金パーティーと裏金をめぐる問題で、参議院政治倫理審査会は3月14日に公開で審査を行う。出席するのは安倍派の世耕弘成前参院幹事長、橋本聖子元五輪担当相、西田昌司参院議員。野党は裏金問題に関わった32名の出席を求めていたが、そのうち3名にとどまった。
12日放送の「ひるおび」(TBS系)では、この3人が出席にいたった経緯を解説。政治ジャーナリストの田﨑史郎氏は「西田さんと橋本聖子さんには共通点があって、来年、改選を迎えるということなんです」とコメント。2月4日に投開票された京都市長選では「(西田議員が)相当批判されたんですね」と振り返り、「だからお二人とも来年の参院選を前にして、みずから潔白を証明したいということだと思います」と2名の思惑を代弁した。
政倫審で「身の潔白」を証明するのが出席の理由なのか。SNSでは《潔白ちゃうやろ》《真っ黒やん》《言い訳よりも謝罪しろよ》などとツッコミの声があがっていたが、それを聞いていたお笑いタレントのバービーもこう語った。
「個人的な感情で言うと、本当に選挙のことを考えるんだったら、ちゃんと公の場に出て、しっかりと身の潔白…、身の潔白じゃなくて謝罪。なんかやっちゃったんだったら、謝罪も含めて、『こういうことがありました』ってはっきり言った方がむしろ選挙というか、支持者の気持ちをつかむんじゃないのかな、と思ってしまいますけど…」
来年に改選を迎える2名の不記載額を見ると、橋本議員が2057万円、西田議員が411万円となっていた。いわゆる「裏金ランキング」では、橋本議員が7位。5100万円でトップの大野泰正参院議員は自民党を離党している。永田町関係者はこう語る。
「政倫審に出席する3人の議員は、不記載は認めても、公の場で謝罪をしていません。おそらく政倫審では政治不信を招いたことに対しては謝罪するかもしれませんが、裏金システムや使途については『知らなかった』『政治活動に使った』という主張を繰り返すでしょう。違法性を認めれば、裏金は所得扱いになり、けっして少なくはない所得税が課されることになりますからね」
政倫審に出席する3人の議員は「身の潔白」を主張するのか。はたまた、国民のさらなる反感を招くのか。いずれにしても新味に乏しい質疑に終わりそうだ。
※写真は自民党HPより