巷では政界きっての“増税派”と言われる立憲民主党の野田佳彦代表が、4月25日の会見で「食料品の消費税ゼロ」を今夏の参院選の公約に掲げると発表した。減税期間は1年間で、経済情勢によっては1年間の延長もあるという。
野田氏は4月18日放送の「BSフジLIVE プライムニュース」に生出演。減税政策について持論を述べたのだが、政治ジャーナリストの田﨑史郎氏から過去の「愚策発言」を持ち出されて追及される一幕が話題になっている。
田﨑氏は野田政権下の2012年に消費税増税法案が成立したことに触れ、「以前に、軽減税率制度を『天下の愚策』と呼ばれたことがありましたよね。あるいは安倍さんが(消費税増税を)延ばした時に『大罪をおかしている』と言われましたよね。あの発言は今も正しかったんですか?」と切り込んだ。
野田氏は「天下の愚策って言ったのは、今もね、優先順位から言うと、軽減税率よりは給付付き税額控除のほうが正しい。優先順位というかね」と述べて、「現実的な対応」として現行の軽減税率の範囲の中で税率を下げていくと説明した。
それでも田﨑氏は「天下の愚策って言われたわけですよね。それをいったんゼロにするわけですよね」「食料品の税率を、8をゼロにしようとしてるわけでしょ? これは天下の愚策と言われたものをゼロにするんだから。それをまた戻すってのは天下の愚策の上塗りになりませんか」と問い詰めた。
野田氏は「時限的ですから(税率は)戻さなきゃいけない。戻す時は、戻し方は制度設計が大事なところですが、よく党内で議論したいと思いますけど、8に戻すのか10に戻していって、給付付き税額控除という形になるのか。何段階で戻すのか。ここが肝になってくる」と述べていたが、SNS上では《田﨑さんがネチネチ鬼詰めしてるのオモロい》《野田さんは素直に謝りなよ》《天下の愚策でブーメラン》などと様々な反響が寄せられていた。
「野田氏は安倍政権下で消費税の税率引き上げを先送りしたことに対して『大罪をおかしている』と批判し、消費税を10%に引き上げる際に導入した軽減税率制度を『天下の愚策』とコキおろしていました。その軽減税率を8からゼロにすると表明したのですから、政策として一貫性がないと批判されても致し方ないかもしれません。番組では田﨑さんが何度も野田氏の『天下の愚策』という発言を出して『今でも間違ってると思わないんですか?』と訂正を求める姿勢を見せていました。驚いたのは1年間の税率ゼロ期間を経て、10%への引き上げを示唆したこと。いずれにしても、野田氏が打ち出す減税政策は国民の理解が得られないかもしれません」(メディア誌ライター)
野田氏にとっては「天下の愚策」だったかもしれないが、2%の税率で多くの庶民が救われているのは事実のようだ。