日本人はサッカー国際試合の観戦でもNG…北朝鮮が4年ぶり「観光客受け入れ」の真相

 コロナ禍では世界中の国々が感染拡大を防ぐために厳しい入国規制を実施し、人々の移動が大きく制限されていたが、今では以前のように自由に行き来できるようになっている。

 しかし、現在も外国人観光客の入国を事実上禁止しているのが北朝鮮だ。そうした中、ついに受け入れを再開するというニュースを各国のメディアが報じている。

 ただし、これはロシアからの団体旅行に限定したもので、現時点で明らかになっているのは2月9日から4日間のスキーツアーのみ。募集を行ったロシアの旅行会社のツアー情報によると、料金は往復の航空券とホテル、各観光スポットの入場料込みで750米ドル(約11万円)だ。

「北朝鮮とロシアは友好関係にありますし、今回のツアーはモスクワ発ではなく極東のウラジオストク発。さらにチャーター機なので価格も抑えられたようです」(旅行誌編集者)

 ちなみにツアー客が利用する馬息嶺スキー場は、14年にオープンした同国随一の高級スキーリゾート。バラエティに富んだ11コースを備え、雪質は北海道同様にパウダースノーで利用者からの評判も上々だという。

 だが、以前のような個人ツアーの受け入れはまだ行ってならず、日本人の観光目的での入国は不可能だ。

「2月24日にはパリ五輪出場権をかけた女子サッカーの北朝鮮戦が平壌で行われますが、サポーターの『観戦ツアー』の予定はありません」(前出・編集者)

 また、3月26日には男子のフル代表が26年W杯のアジア2次予選でアウェイでの北朝鮮戦に臨む。今のところ、第3国での試合の可能性もあり、開催地未定となっているが、一部の韓国メディアは「平壌開催で調整中」と伝えている。しかし、試合予定日からすでに2カ月を切っており、仮に平壌で試合を行うことになっても観戦ツアーが催行される可能性は低そうだ。

「ただ、外貨獲得のために段階的に入国規制も緩和されるはず。そう遠くないうちに日本人も入国できるようになると思います」(前出・編集者)

 とはいえ、北朝鮮と日本の間には政治的懸案事項が山のようにある。そのどれもが棚上げ状態となっている中、果たして観光目的で気軽に訪れられるのか…。

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