軍事力は世界ランク7位に上昇も…今さら「丸刈り廃止」で自衛隊が直面する「静かなる有事」

 毎年「世界軍事力ランキング」を発表している軍事分析会社のグローバル・ファイヤーパワーは、24年版のランキングを1月17日に発表。トップ3はアメリカ、ロシア、中国がこの順で定位置を確保。日本は7位でトップ10入りした。

 23年版は8位だったので、ランキングを上げた。島国ゆえに海洋戦略の優位性、艦船搭載の高度な技術などが評価されたようだが、防衛費は5年かけて防衛力を嵩上げするにあたって、22年度より約1兆4000億円積み増されていたので、それも順位に反映されたか。

「ところが一方、目下の自衛隊の最大の悩みは新たな自衛官のなり手不足。ただでさえ若い志望者が少なくなっているところに、今後は人口減少がさらに拍車をかけます。定員と実員の乖離は1万6000人あって、『静かなる有事』として関係者の間に危機感が広がっています」(全国紙記者)

 そこで政府は人的基盤の強化を話し合う有識者会議を昨年に新設。7月に報告書がまとめられた。

 だがその中身を見ると、転職サイトを通じたアプローチ、給与の見直し、理系を専攻していて自衛隊勤務を希望する学生に奨学金のようにお金を貸す貸費学生制度の拡充…などとあるが、いまいちパッとしない。それはそうだ。人材確保は企業も人手不足で頭を抱えるところ。そんな簡単に解決策は見出せないだろう。

「そこでまず自衛隊が改革の手始めとしたのが『丸刈り』の廃止というのだから、いつの時代の話だよとツッコミを入れたくなりますね。これまでは入隊時の頭髪基準は男子は丸刈り、女子はショートカットだったのを、令和6年度の採用からそれぞれスポーツ刈り、肩にかからない程度に緩めるのだと、18日に発表がありました。ブラック校則議論でもあるまいにという話です」(同)

 アメリカでは警察官の採用でタトゥーを解禁したが、自衛隊でも「ファッションタトゥーもあることだし」と大真面目に議論している模様。だが自衛隊では昨年末に、女性同僚へのセクハラ事件で元自衛官3人に有罪判決が出て、前近代的な組織ぶりが表ざたになったばかり。まずはこの部分から改めるべきだろう。

(猫間滋)

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