プーチン・ロシアの「北海道侵攻」を許すな!【3】最大の脅威はプーチンの「核」

 四方を海で囲まれた日本は、ウクライナと比べ軍事的に攻め込まれにくいという利点にも恵まれている。

「今回ロシア軍はウクライナ侵攻に際し、あらかじめ国境付近に10万人超の部隊を集結させていたことが衛星写真でキャッチされています。極東ロシアには北海道に着上陸する戦力はありません。つまり、北海道を攻める場合には海を越えて大部隊を動かす必要があり、その動きは筒抜けになってしまう。つまり、突然大部隊が着上陸することはありえない。となると、考えられるのは、ロシア軍の特殊部隊を送り込んでくることです。陸上自衛隊の駐屯地などでレーダー施設などの破壊活動を行い、抵抗力を削いだ後に着上陸を敢行してくることが考えられます」(井上氏)

 ロシア軍はウクライナ南部マリウポリなどに特殊部隊を送り込んでいる。狙われる場所はどこか?

「可能性としては北方領土が近い根室。もう1つが宗谷海峡のある稚内です」(黒井氏)

 北緯45度31分22秒、日本最北端の碑が立つ稚内は、北三十数キロ先に樺太が浮かぶ、まさに対ロシア最前線でもあるのだ。

 同じくここをウイークポイントと見ているのが潮氏だ。

「稚内と、その沖の礼文島には自衛隊の分屯地があります。私が協力している漫画『空母いぶきGREAT GAME』の最新話で、この2分屯地がロシアの特殊部隊に制圧されてしまうというストーリーになっています」

 礼文島沖からロシア海軍特殊部隊が稚内に上陸、陸海自衛隊駐屯地を占拠、自衛官は人質として拘束される。

「当初は、そんなバカな話と誰もが思っていたかもしれません。しかし、情報と通信だけで普通科の部隊を置いていない。つまり戦闘力を持っている自衛官がいないのです。ロシアの特殊部隊が本気で攻めてくれば、あっと言う間に制圧されかねないのです」(潮氏)

 現実に起こらないことを祈るばかりだが、

「今回のウクライナ戦でのロシア軍の戦いぶりはあまりにも前近代的です。もはや第二次世界大戦時と大差のない大規模な戦車戦の結果、ウクライナ国防省の発表では2万人を超える死者を出しています。もちろん、戦争の大義も不明で士気も低い。その反面、首都キーウ周辺などで略奪、強姦、殺人という、戦争とは呼べない犯罪行為を行っている。もはや逆ギレして何をするかわからないプーチンが一番恐ろしい」(井上氏)

 こうした泥沼化に黒井氏が警鐘を鳴らす。

「今、最も恐れるべきは核の脅威です。ロシアは米軍より数多く核弾頭を持ち、爆撃機、潜水艦などどこからでも発射できるようになっている。さらに怖いのが、ウクライナとの戦争が拡大し、ロシアとNATOが全面戦争になることです。そうなると歯止めが効かなくり、米軍を含めて第三次世界大戦となった時には、確実に東京は核の標的になる」

 第二次大戦終戦間際、日ソ中立条約を一方的に破棄したソ連は、千島列島より日本に侵攻し、北方領土を奪取。スターリンは、留萌─釧路ラインで二分した北北海道の強奪を目論んだ。

「ソ連はそもそも第二次作戦で北海道に侵攻するという計画を持っていた。そのために極東にロシア軍がいるわけです。そのことを肝に銘じておくべきでしょう」(潮氏)

 もはや、落としどころを完全に見失ったウクライナ侵略。狂気の沙汰をやめないプーチン大統領自身は、北海道すら視野に入れているのかもしれない。

*「週刊アサヒ芸能」5月5・12日合併号より

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