24年版「安全な航空会社ランキング」が発表!「奇跡の生還」JALとアラスカ航空の順位は…

 事故率が極めて低いのは分っていても、起きれば大惨事!というイメージが強く、どうしても気になるのが飛行機の安全性だ。ましてや1月2日夕方6時に日本航空516便と海上保安庁の飛行機の衝突事故が起きたのだからなおさらだ。

 というタイミングの1月3日に発表されたのが、航空会社の安全性やサービス評価を行っている「エアライン・レイティングス」が毎年公表する「世界で最も安全な航空会社ランキング」だった。さてその結果は。
 
「日本航空(JAL)が20位にランクインし、全日本空輸(ANA)は7位で上位に入っています。前年もJALが19位、ANAが14位にランク入りしているので、この辺りが定位置といったところでしょうか。トップは、23年版でカンタス航空(オーストラリア)に1位の座を明け渡していたニュージーランド航空が首位に返り咲いています。また昨年まではトップ20社までの発表でしたが、同じような水準でひしめていているということで、今年は25社になったそうです」(旅行ライター)

 ランキングの対象は世界385の航空会社で、評価基準としては過去5年の重大事故、過去2年のインシデント、国際機関や国の航空当局・政府の監査、機材の年齢、財務状況などがある。さすがにJALの事故の翌日の発表なので、このときの対応がどう評価されたかは、来年のランキングに反映されるのだろう。

 また1月5日には、アラスカ航空の航空機が米オレゴン州の空港を離陸後に窓などが吹っ飛び、機体側面に冷蔵庫ほどの大きさの穴が開いたため緊急着陸するというアクシデントが起こった。JALの事故と同じく搭乗者に死者や重傷者が出なかったので、世界のメディアはごぞって「2つの奇跡」と伝えたが、そのアラスカ航空も10位にランクイン。計らずもランキングの正しさを証明したかっこうになっている。

「アラスカ航空の事故では、事故原因の調査が行われていますが、機体を製造したボーイング社の最高経営責任者が自らの『過ち』について認め、アメリカの航空当局はアラスカ航空の対応を評価しています」(同)

 アラスカ航空は00年に乗客乗員88名が亡くなる大きな墜落事故を起こしているが、原因として収益力の低下からメンテナンスが疎かになっていたことが指摘された過去がある。JALも今回の事故対応には、85年の御巣鷹山の事故の教訓が生かされていたことが評価されているが、『安全基準は先人の血で書かれている』と言われるのは、どのケースにも当てはまるのかもしれない。

(猫間滋)

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