佐藤治彦「儲かるマネー駆け込み寺」2024年のニッポンを大予測「金利・物価・賃金・保険はこうなる」

 今回は2024年の経済、特に生活に関する経済の動向について天気予報風にお届けします。

 まずは「貯金・投資」の天気ですが、約30年も続いたほぼ0%の超低金利という日照りが終わり、ほんの少しですが恵みの雨が降るでしょう。その兆候はネット銀行からすでに始まっています。植田日銀総裁がマイナス金利解除への意欲を見せていることから間違いないでしょう。ただし、定期預金は1年から2年ほどの短いものにしてください。金利はこれから上昇局面へと向かいますから、低いうちに長い定期にしない方が無難です。

 また、一部からは増税メガネなどと揶揄されている岸田首相ですが、1月から大減税の大盤振る舞いを始めるのが「新NISA」。1人年間360万円までの投資資金で、儲けた株や投資信託からの配当金や売買の儲けに関して、本来なら20・315%の税金が課せられるのに、それを無税にするというのだ。この件については、また別の機会に詳しく解説します。

 続いて「住宅ローン」は快晴から曇りに、場合によっては小雨になるでしょう。この10年余りの異様な低金利の住宅ローン時代は終わりを迎えます。すでに比較的長期の固定金利から変動は始まっていますが、2024年は本格的に短期の変動金利も上がっていくと予想されます。しかし、まだまだ歴史的には超低金利。なので、低いうちに手当てをしましょう。この件についても、別の機会に詳しくお伝えします。

 また、中国発の不動産不況の大型台風が発生しています。今のところは中国大陸にとどまっていますが、事によると進路を日本へ取るかもしれません。どうか不動産不況の台風情報にはお気をつけください。

 一方「物価・ガソリン」は、円安低気圧が収まり、円高高気圧が張り出してきそうです。そのため、過去2年余りの異様な大荒れのインフレ天気はやや収まり、落ち着きを取り戻すものと思われます。ただし、5年ほど前までのデフレ模様には戻らないでしょう。

 円安だけでなく、ウクライナ戦争が早期に収束を迎えれば、さらに物価は安定化に向かうと思われます。「海外旅行」は、特に円安低気圧が日本列島から遠ざかることにより、再び手頃さが増してくるものと思われます。ただし、これは年の中頃から。早くても5月の大型連休明けからだと思われます。

 さて、多くの方が気になっている「給料賃金」。ところによって5%アップを超える快晴になりそうですが、局地的なものにとどまるかもしれません。これは4月前後の春の時期に見えてくると思います。また、日本全国からは去年以上の最低賃金の上昇が求められています。円安によるインフレではなく、日本中の働く人の給料がおしなべてアップして起こる、適度ないいインフレになるといいと思います。

「火災保険と自動車保険」は、値上げ注意報が発令されています。自動車保険は1月からアップされますが、火災保険も水害リスクを加味して保険料の見直しが行われる模様です。大部分は値上げですが、ごく一部は値下げということもあるので、各自、十分お気をつけください。

 2024年のポイントは欧米の金利は下がり、日本の金利は少し上がる。そのため1ドル150円という異様な円安は収まり、円高方向に向かう。中国の景気が悪いままであれば、原油の価格も落ち着いたまま。エネルギー価格も落ち着きを取り戻すはずです。

 ということで今回は、短く私たちの生活に直接関係する経済動向を展望してみました。

佐藤治彦(さとう・はるひこ)経済評論家。テレビやラジオでコメンテーターとしても活躍中。著書「素人はボロ儲けを狙うのはおやめなさい 安心・安全・確実な投資の教科書」(扶桑社)ほか多数。

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