大晦日~元日の外出は要注意!鉄道各社の「終夜運転」が大規模縮小する

 初詣客などの輸送を目的に12月31日の深夜から元日の早朝にかけて特別ダイヤで運行される鉄道各社の大晦日の終夜運転。

 JR東日本は、山手線(全線)と京浜東北・根岸線(桜木町-大宮)、中央・総武線各駅(千葉-三鷹)、中央線快速(三鷹-高尾)、横須賀線(横浜-逗子)、青梅線(立川-御嶽)、総武本線・成田線(成田-千葉)の7路線の各区間となる。

 本数・区間とも昨年と同じだが、近年はその規模を減少させている。常磐線(綾瀬-我孫子)は19年に、埼京線(新宿-大宮)と高崎線(上野-籠原)は21年でなくなり、逗子・大船-小山・宇都宮を結んでいた湘南新宿ラインも同年を横須賀線の一部区間のみと大幅に削減された。

 また、19年までは全線で終夜運転を行っていた東京メトロは、実施路線の縮小を経て22年からは全廃。同様に21年まで実施していた都営地下鉄も2年連続で停止となった。

 首都圏の私鉄大手は、小田急と京急、東武が19年以降は取りやめており、一部区間ながら23年も行っているのは京成(京成上野-京成成田、押上-京成金町)と京王(新宿-高尾山口)のみだ。

 一方、関西はJR西日本が大阪環状線(全線)神戸線・京都線(西明石-大阪-京都)、奈良線(京都-城陽)、ゆめ咲線(桜島-西九条)、東西線・学研都市線(尼崎-京橋-四条綴)、大和路線(難波-王寺-奈良)、万葉まほろば線(奈良-桜井)で運行されており、21年にゆめ咲線が停止された程度でここ数年はあまり大きな変化はない。

 JR以外では大阪メトロと阪急、阪神、南海は通常の休日ダイヤだが、そんな中でも近鉄と京阪は多くの路線で終夜運行を実施する。なかでも京阪は「終夜運転」と書かれた専用のヘッドマークを一部列車に付けての運行だ。

 とはいえ、首都圏、関西圏とも総じて終夜運転は縮小傾向にあり、その背景には鉄道会社の切実な事情も大きいようだ。

「コロナ禍以前から乗客数は減少、燃料コストの上昇で採算の確保が難しくなっていました。また、大手でも運転士の数に余裕があるわけではなく、これらを総合的に判断して中止や縮小の流れになっています。今後、さらに縮小されることはあっても終夜運転が拡大される可能性は低いと思います」(鉄道ジャーナリスト)

 鉄道を使って大晦日~元旦の行事をこなす…そんなことができるのも今のうちだけかもしれない。

(高島昌俊)

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