「年忘れにっぽんの歌」が本家よりも“紅白っぽい”ワケとは?

 大晦日の国民的テレビ番組といえば「紅白歌合戦」。今年はこれまで視聴率争いの最大のライバイルだった「ダウンタウンの笑ってはいけない」シリーズが放送されないため、紅白の一人勝ちが確実視されている。
 
 だが、時間帯視聴率は1位を獲得しても「例年以下の数字になる恐れがある」と指摘するのは芸能記者。その要因に挙げるのは、出場歌手のラインナップだという。

 現在の紅白は演歌・歌謡曲枠が極端に少なく、男女ともにわずか4〜5組。白組はジャニーズ所属アイドルだけで5組、紅組は若い世代に人気の女性歌手・グループが半数近くを占め、シニア世代には馴染みのない者ばかりだ。
 
「M1層やF1層(※20〜34歳の男女)を意識したのかもしれませんが、彼らはそもそもテレビを見ない世代。むしろ、年配層の紅白離れのほうが大きそうです」(前出・記者)

 一方で例年以上の高視聴率を期待されているのが「年忘れにっぽんの歌」(テレビ東京系)。出場歌手は演歌・歌謡曲系ばかりで、しかも全員が紅白出場経験者。テレビ関係者の間では「こっちのほうが紅白っぽい」と冗談交じりに話す者も少なくない。かつて紅白の目玉だった小林幸子・美川憲一の2人が同じステージで見られるのはこの番組だけだ。
 
「時代に合わせてモデルチェンジを繰り返す紅白と違って、昔からコンセプトが一貫しています。過剰な演出もなく、歌をしっかり聞かせてくれるのも上の世代からは好まれる理由になっていますね」(同)

 また、ももいろクローバーZがホスト役を務める「ももいろ歌合戦」(ABEMA TV、BS日テレ、ニッポン放送など)も今年で第5回。女性アイドルが多めながらも五木ひろしや水前寺清子、さだまさしといった大御所、HYDEや西川貴教などロック系の大物のほか、笑福亭鶴瓶や木梨憲武、田中将大(楽天)など出演者もバラエティに富んでいる。

 果たして大晦日の番組勢力図は変わるのか。年明けに発表される視聴率速報が今から楽しみだ。

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