食堂のおばちゃんの時給が3000円!?「IT誘致でバブル状態」熊本がお祭り騒ぎだ

 東京スター銀行と言えば、都内に本店を置く関東の地銀。そのスター銀行が12月19日、熊本市にオフィスを開設したことが話題を呼んでいる。

「同行はかつて『東の東京相和、西の兵庫銀行』とまで言われた有力地銀でしたが、バブル崩壊後に破綻。紆余曲折を経て、現在は台湾の大手銀行『CTBC』の傘下に収まっています。そして、同じ台湾の半導体製造大手のTSMCの熊本進出に併せて、スター銀行も熊本にオフィスを開設したとされています」(経済ジャーナリスト)

 半導体受託生産世界一のTSMCが熊本に進出することが決まったのが21年10月。22年4月に工場建設が着工されて以来、地元熊本では「100年に1度のチャンス」と沸いた。12月15日には、内閣府が熊本、北海道、岩手、広島の4道県の半導体製造拠点に60億円を交付すると発表するなど、期待度は高い。

「経済効果は10年で6兆9000億円と言われ、9月の基準地価の公表では、所在地の菊陽町は菊池郡という熊本市のベッドタウンのような土地でありながら32.4%もの地価上昇で全国1位を記録しました。地元の雇用への期待はもちろん、未確認情報ながら、TSMCの工場の食堂のおばちゃんの時給が3000円という話が都市伝説的にあるほど、もはやバブルの様相を呈しています」(前出・ジャーナリスト)

 千載一遇のチャンスと見るのは市も県も国も同様のようだ。県と市は、市の中心部と空港を結ぶ高速道路を計画。政府は熊本北部と大分市を結ぶ「中九州横断道路」の整備を加速するなどしている。さらに、地元の人によれば「熊本市内の人気店がどんどん菊陽町に進出している」という。

 実際の半導体量産開始の24年末を前にお祭り騒ぎのような盛り上がり。ここ数年は大地震や豪雨などの災害により、甚大な被害に見舞われた熊本だけに、久々に入ってきた明るいニュースを多くの人が歓迎しているのだろうが、バブルに実態が伴っていくことを期待したい。

(猫間滋)

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