上昇率トップ3を独占!北海道・千歳の地価が爆上がりしている明確な理由

 国交省は毎年3月に1月1日時点での公示地価を公表するが、25年も東京の高さは圧倒的。ただし、上昇率で見れば、北海道の千歳や富良野、長野県の白馬、沖縄の宮古島などが上位を占めていて、そこには明確な理由が伺える。

「住宅地で最も高かったのが東京・港区赤坂1丁目、商業地では東京・中央区銀座4丁目で、この辺りは何年も連続でお馴染み。3大都市圏の住宅地、商業地はいずれもプラスで、特に神奈川、埼玉、千葉を含む『東京圏』は平均5.2%と高い伸びになっています」(経済ジャーナリスト)

 一方、上昇率のトップ3は、住宅地が北海道・富良野、長野県・白馬、沖縄県・宮古島で、商業地では北海道・千歳市の3地区が独占した。

「千歳市の上昇は、明らかに次世代半導体の国産化を目指して設立されたラピダスの工場が建設されている効果です。これは台湾のTSMCの工場がある熊本の菊陽町などで見られたことで、同地周辺の上昇度合いはいったんは落ち着いたものの、それでも上位に食い込んでいます」(同)

 また、富良野、白馬、宮古島の上昇理由も明確で、言うまでもなくインバウンド効果だ。

「富良野はパウダースノーが国際的に有名で、今では外国人向け住宅の整備が進んで、ゴミ捨て場には外国語表記が目立つほどです。白馬もリゾート人気で不動産投資が活発化、宮古島も同様ですが、こちらは家賃相場が上がってしまい、地元の人が借りにくくなるというひずみが報告されています」(同)

 一方で、住宅地・商業地ともに下げているのが、新潟、和歌山、四国、中国地方の日本海側、鹿児島など。特に下げが固定した地域では、いっそうの地盤沈下が目立つ。住宅地の下落率では、地震の影響で能登半島が上位10位を独占した。こちらは一刻も早い復旧が待たれる。

(猫間滋)

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