夢グループ石田社長が激白!シルクシャツ広告にクレーム「そこで松方弘樹さんにお願いしたのです」

 香港で痩せるクリームや化粧品を個人輸入していた僕は、親しくしていただいている現地のマンションのオーナーさんに「そんないかがわしい商品を販売するのはやめなさい」と、諭されました。

 大きな声じゃ言えないけれど、事実「中国4000年の歴史ある商品を個人輸入できます!」とチラシに謳い文句を書いて個人輸入販売していた頃は、薬事法などの問題で厚生労働省から注意勧告を受けることもありました。中国・天津の百貨店で個人輸入をしていた時は、段ボールの中に麻薬が入っているんじゃないかなんて、税関に疑われたこともあります。

 オーナーはそんな僕の商売のやり方を心から心配して下さったんでしょう。

「正々堂々とした本当の通販をやりなさい。商品は日本では高級品で人気も高いシルクがいい。中国や香港ではシルクは安く手に入るから」

 こうして、僕は本格的にシルク商品を通信販売することになったんです。まずはチラシ作りからスタート。商品はシルクのシャツですから、さっそくプロの綺麗な女性モデルさんに着てもらうことにしました。でも、ペアで男性モデルを頼むと10万円もすると言うんです。それなら自分がモデルとしてシャツを着ればいいや。

 こうして刷り上がったチラシは、綺麗な女性モデルさんの隣でニッコリ笑顔の僕がシルクシャツを羽織って立っている……というものになりました。でもね、お陰様でこのシルク商品にシフトしたら、年商が20億円ほどに跳ね上がったんですよ。

 嬉しい悲鳴をあげていたところ、ある時、女性のお客様からこんなクレームの電話が入りました。

「社長はなんであんな男性モデルを使ったんですか? あの男性、シルクがまったくもって似合っていない。商品自体は高級に見えるのに、あの田舎臭い男性モデルが着ると商品の価値がガタ落ちですよ! ホントに売る気あるの?」

 直接、そのクレーム電話に対応したのはこの僕です。ホントのことを言うと、結構心が傷つきました。

 やっぱり、シルクが似合う格好いい男の人じゃないとダメなんだ……そう思った僕は、イメージキャラクターとして俳優の松方弘樹さんにお願いすることにしたのです。

 松方さんといえば、なんといっても「名奉行 遠山の金さん」(テレビ朝日系)の情に厚い金さん役やヤクザ映画でみせる迫力ある凄み、格好いいですよねぇ。僕、大好きだったんです。しかも、釣り好きの僕にとって、松方さんが巨大マグロと格闘するテレビ番組には、もう釘付けでした。

 それで松方さんに実際にお会いしてみたら、すっかり意気投合。松方弘樹さんがシルクのモデルになってくれれば鬼に金棒です。注文が殺到して会社内にリンリンと鳴り響く注文の電話に追われる社員たちの姿を想像しながら、僕はもう口元が緩みっぱなしです。

 そして、いよいよシルクシャツをまとった松方さんを撮影することになりました。まずは、松方さんに相談です。

「ロケはどこでやりましょうか?」

「シルクならやっぱり沖縄でしょ。僕がクルーザーでマグロを釣っているところを撮れば絶対、格好いいはずだよ!」

 高揚した声で松方さんがおっしゃいます。僕は一抹の不安を感じながらも、松方弘樹さんご指定の沖縄ロケへと出発したのです。

石田重廣(いしだ・しげひろ)株式会社夢グループ、株式会社ユーコー代表取締役社長。1958年7月1日生まれ、福島県出身。自ら出演する「夢グループ」のテレビショッピングで大人気。昨年、保科有里とのデュエット曲「夢と…未来へ」で歌手デビュー。今年8月30日に第2弾シングル「やすくして♡」を発売、ネット上でも話題に。

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