夢グループ石田社長が激白!33歳で香港と日本の往復生活「14人のメイドと暮らしていました」

 中国・天津で個人輸入の仕事をしていた僕が香港に拠点を移したのが、今から32年前。33歳の時でした。

 もともとよく旅行で訪れていた国でしたが、香港の商店街には化粧品店や薬局がズラリと軒を並べているんです。しかも、天津で売っていた化粧品と全く同じ物が売られていた。それに加えて天津で買った時の値段よりはるかに安い。最初は“もしやニセモノなんじゃないかしら?”とも思ったけど、調べてみたらちゃんとした正規品だとわかりました。

 また、面白いことに「これはいくらですか?」と聞くと「18ドル」だという店もあれば「13ドル」というところもあるんです。何軒もの店をまわるうち、底値が見えてくる。そこで「100個、200個買うから」と、更に安く仕入れ価格を交渉したんです。

 香港では運良く、華僑の方で日本の高級中華レストランに中国の食材を卸している社長さんとの出会いに恵まれ、その方が所有しているマンションの一室を事務所兼自宅として貸していただけることになりました。

 ここで立ち上げた会社が、現在の「ユーコ-」の前身となる「友交流通グループ」です。僕が借りたマンションは築40年ぐらい経ってはいましたが、広さも約30坪ほどあってキッチンやダイニングのほかにメイド部屋も完備されていました。

 でもね、1カ月後に届いた家賃の請求額を見て、ビックリしちゃったの。なんと40万円ですよ! いくら広いとはいえ、築年数も経ってるし、せいぜい10万円程度かなぁ~なんて思っていたのに。最初に確認しなかった僕が悪いんだけどね(苦笑)。

 香港での生活が始まり、ビジネスチャンスも到来しました。当時、全世界でブームを巻き起こした「海藻石けん」や、塗るだけで痩せるクリーム「スヴェルト」も取り扱っていたため、会社の売り上げは約7億円ほどに急成長しました。

「スヴェルト」は香港の免税店で1人10本までしか買えなかったんですけど、日本のたくさんの奥様方から注文が殺到しております。で、どうしたか? 当時、僕にはフィリピン人の友達がたくさんいました。最盛期には14人ほどのメイドも住み込みで働いておりましたので、みんなに協力してもらって、毎日1つの免税店に50人ずつ並んでもらったの。それで商品を買って日本に個人輸入することができたんです。

 フィリピンの人は英語が出来る方が多く、ローマ字も書けます。だから商品の梱包から宛名書きまで手伝ってくれました。もちろん、お給料は支払いますよ。日本円で月に約6万円。食事も部屋も付いています。

 で、僕は、1週間は香港、1週間は日本という生活を送るようになったんですけど、次第に僕の居るスペースが狭くなってきちゃって。だって、メイドたちがダイニングにベッドを置いて暮らしていますから。そんななか、楽しみだったのは食事でしたね。僕は肉が嫌いなので僕がいる間は肉禁止なので(笑)、香港に帰ると食卓に新鮮な魚料理やらフルーツやらがたくさん並ぶわけですよ。

 さらに可愛い娘も誕生して幸せでした。ところが、娘をお風呂に入れようと思っても、1週間は離れて暮らしていますから、娘はすっかりメイドに懐いちゃって……。会話もみんな英語ですから、彼女は英語とフィリピン語を覚えたわけですよ。だから、仕方なく僕も片言の英語で娘と話していましたね。

 そうして、香港と日本の往復生活が7年間ほど続いたのです。 

石田重廣(いしだ・しげひろ)株式会社夢グループ、株式会社ユーコー代表取締役社長。1958年7月1日生まれ、福島県出身。自ら出演する「夢グループ」のテレビショッピングで大人気。昨年、保科有里とのデュエット曲「夢と…未来へ」で歌手デビュー。今年8月30日に第2弾シングル「やすくして♡」を発売、ネット上でも話題に。

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