元大阪市長で弁護士の橋下徹氏が11月13日、「めざまし8」(フジテレビ系)に出演。建設費増額などが社会問題化している2025年開催の大阪・関西万博について擁護する考えを示したものの、メインキャスターの谷原章介と同局・解説委員の風間晋氏から猛反撃を食らった。
大阪・関西万博の当初の建設費予算は1250億円。20年には1850億円となり、23年10月には最大2350億円となる見通しに。大阪市長時代、万博開催の旗振り役だった橋下氏は、建設費用と経済効果について「経済効果は2兆8000億円とか。建設費用が3000億円でも4000億円でも、3兆円とか4兆円の経済効果を叩きだす“投資”だと考えれば、費用ばかりを抑える議論にしないほうがいい」と発言。
これに対し、風間氏は「(万博などで)経済効果の検証をされたことは一度もありませんから。(予想として経済効果を)言っているだけでね」と一蹴。
建設費用が350億円で、万博終了後は撤去される大屋根(木造リング)については、橋下氏は1970年開催の大阪万博の「太陽の塔」を例に出し、「当時は無茶苦茶批判された。無駄遣い、無駄遣いと。太陽の塔も壊す予定だったのが、ある意味、大阪だけでなく、日本のシンボルになっている。費用は批判があってもいいけども、僕は残していくべきものだと思う」と持論を展開。
すると、今度は谷原が「太陽の塔が残ったのは結果論であって、壊す前提で350億円かけて作って、お金かけてまた壊すのは今の時代にちょっと合ってない」と疑問を呈した。橋下氏は「谷原さんが言うように壊す前提で350億円というのは国民感情に沿ってない。残すとか、そういうことで説明していけばよかったと思う」と反省の弁を述べる始末だ。
また、橋下氏は「万博は“お祭り”ではない。パビリオンもしょぼくていい。中の“技術”でやっていく」と自身の考えを説明。しかし、谷原は「その技術がなかなか見えてこない」と苦言。橋下氏が「IPS細胞を使って臓器など健康寿命を伸ばすための医療を提供していこうとか、いろいろ入っている」と説明すると、谷原は「IPSのためにでかい会場が必要なのかなと。どういう見せ方? 別に国際展示見本市でもいいじゃないですか」と反論した。
「いつもは舌鋒鋭い橋下氏ですが、今回の万博を巡る議論では谷原、風間氏に軍配が上がりました。橋下氏は万博の工事が遅れていることに関しても、9月2日配信の『News BAR橋下』(ABEMA TV)で、『東京のメディアが悪い。だって全然無関心だもんね』などとかわしていましたが、中止の署名も10万人近く集まっており、開催のメリットを強調する橋下氏の旗色も悪くなってきました」(週刊誌記者)
問題が山積みの万博、橋下氏の今後の見解にも注目だ。
(石田英明)