11月の食料品値上げは131品目に激減、便乗値上げとの関係は?

 帝国データバンクによると、国内食品メーカーなど主要195社の11月の食料品の値上げ予定数は131品目となり、2022年以降最小となったことが分かった。要因は燃料価格の上昇が落ち着いたことなどが挙げられるが、便乗値上げによる消費者離れもそのひとつに挙げられるという。

「新型コロナウイルスの感染拡大やロシアによるウクライナ侵攻、円安の影響などもあって2022年から値上げラッシュがスタートしました。昨年10月には食料品7864品目が値上げされ、ピークを迎えるかに思えましたが、今年2月には5639品目、4月には5256品目、そして10月には4634品目と引き続き値上げラッシュが続いていたのです」(経済ジャーナリスト)

 しかし、11月の食料品値上げ予定数は131品目と昨年12月以来となる200品目割れとなり、2022年以降最小となったのだった。突然の値上げラッシュの一服に驚いた人も多いかもしれないが、これにはメーカー側が値上げできなくなった理由もあるという。

「昨年から続く値上げラッシュの中で、『それって本当に値上げが必要だったの?』と言いたくなるような、いわゆる便乗値上げが横行していると言われ、消費者の目も厳しくなってきました。そんな中で、今年9月にはキャノーラ油が21年同月に比べて売上が41%落ち込み、小麦粉も同じく30%減少しました。他にも値上げ後に売上が減少する食品も多く、今まで以上に値上げすることに対して企業側も慎重にならざるを得ない状況になっているのです」(前出・経済ジャーナリスト)

 これで便乗値上げがどんどん減っていってくれればいいが…。

(小林洋三)

マネー