五輪選手村マンション「晴海フラッグ」に申し込み殺到!それでも不評の声があるワケ

 2021年の東京五輪では選手村として利用され、その後は改修工事を経て分譲マンションとして使用されることになっていた「晴海フラッグ」。7月8日〜16日に第1期1次の販売が行われた「晴海フラッグ スカイデュオ」では573戸に対して申し込みは8790組と、平均倍率は15.3倍だった。中でも特別仕様の最上階の1戸には142倍と応募が殺到している。

 同マンションは近くに商業施設や学校、保育施設などもあるため、都心に職場のある20〜30代の若い夫婦に人気で、投資物件としても注目されているという。

 だがその一方で、不動産業界関係者からの評判はあまり良くないと言われる。どういうことか。

「まず最寄りの勝どき駅(都営大江戸線)まで徒歩20分前後かかり、都心のベイエリアにあっても駅から遠いんです。それにリフォーム済みとはいえ、建物は東京五輪前に完成していた中古物件です。新築物件に比べると大規模修繕の時期が早いことが予想されます。また場所柄、塩分を含む雨や潮風の影響で外装の劣化が進みやすいとも言われていますね」(不動産メーカー社員)

 売り出し価格が地域の相場よりもかなり安いことが人気の要因ともなっているが、物件の価値は上昇するどころか「落ちる可能性もある」とみる専門家もいるのだ。

「特に来年は晴海フラッグに加え、近くのパークタワー勝どき(総戸数2786戸)も引き渡しの時期で、住み替えが急増します。それに伴い、付近のマンションが供給過剰となり、相場の下落が懸念されており、これは『湾岸2024年問題』とも呼ばれているほどです」(前出・社員)

 もともと埋立地だったこともあり、地盤の堅牢さに疑問を呈する声もあるという。また、大地震発生時に起きる液状化現象のリスクや、ハザードマップによれば、河川氾濫時には隣接する築地や木場エリアのほとんどに浸水の危険性があり、孤立してしまう可能性も指摘されている。

「確かに、通勤時間の短さや利便性の高さは魅力かもしれません。ただ、投資物件としては不安材料があり、申し込みを見送った投資家もいるようです」(前出・社員)

 11月11日からは第1期2次の販売開始が始まるが、購入希望者はメリットとデメリットをしっかり把握した上で申し込みを判断したほうが良いかもしれない。

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