ゴルフ、サッカーに続いて巨大オイルマネーが…中東発「野球新リーグ」に日米選手が大量移籍か

 対立を経て和解し、米PGAツアーと統合することで合意したプロゴルフ「LIVツアー」、C.ロナウドやネイマールなど欧州のスター選手たちが次々と移籍しているサッカー「サウジ・プロフェッショナルリーグ」など、世界のスポーツ界を中東のオイルマネーが席巻している。

 実は、次にターゲットとされているのが野球で、中東と南アジアを拠点とした野球の新リーグ「ベースボール・ユナイテッド」が24年に開幕する。
 
 それに先駆けて今年11月にはドバイでトーナメント形式の大会が行われる。現時点ではUAEのドバイとアブダビ、パキスタンのカラチ、インドのムンバイに本拠地を置く4チームが参加する予定だ。

 しかも、「ドバイ・ウルブズ」の指揮官は元マリナーズ監督のジョン・マクラーレン氏でGMが同じマリナーズで活躍した元サイ・ヤング投手のフェリックス・ヘルナンデス氏。「アブダビ・ファルコンズ」は監督がメジャー9球団でセットアッパーとして活躍したデニス・クック氏でGMはMLB最多セーブ記録を持つ元ヤンキースのマリアノ・リベラ氏だ。

 さらに「カラチ・モナークス」は04年ア・リーグ打点王ミゲル・テハダ監督と、同年ナ・リーグ本塁打王のエイドリアン・ベルトレGMのドミニカコンビがタッグを組み、「ムンバイ・コブラス」は88年ナ・リーグ新人王のクリス・セイボー監督と9度のシルバースラッガー賞を持つ殿堂入り内野手のバリー・ラーキンGMといずれも元メジャーの大物たちだ。

「11月のトーナメントは入団テストを兼ねており、200名以上の参加者の中から64名が選ばれる予定です。他にもドラフト指名による獲得枠もあり、来年秋には全8球団とチーム数が倍増する予定です」(スポーツ紙記者)

 米マイナーリーグや中南米の独立リーグでプレーする若手選手などの参加が中心になると見られているが、メジャーでのプレー経験のある大物選手の移籍も噂されているという。

「オイルマネーで資金は潤沢です。今オフに移籍交渉がまとまらなかったMLB選手、ピークは過ぎても実績十分の選手が参加する可能性は高いです。日本人選手に関してもWBCで世界一の実力は高く評価されており、11月15日におこなわれる合同トライアウトにも担当者が派遣される可能性は高いでしょう」(同)

 とはいえ、気になるのは新リーグの舞台となる中東や南アジアは野球不毛の地、ということだ。果たして勝算はあるのだろうか?

「野球の原型とされるクリケットが人気なのでチャンスはあります。それに中東や南アジアにルーツを持つ選手は意外と多く、そうした選手やクリケットからの転向組などが活躍すれば盛り上がる可能性はあります」(同)

 金にモノを言わせて選手を次々と引き抜くことを懸念する声もあるが、野球人気が世界的に拡大するのは喜ばしいこと。まずは新リーグの立ち上がりに注目したい。

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