業績悪化の理由は「一連の報道の影響」 ネクステージの説明に異論噴出

 中古車販売大手のネクステージが、2023年11月期の連結業績見通しを下方修正すると発表した。その理由として「当社グループのイメージを低下させるような一連の報道の影響」を挙げているのだが、この言い分には疑問の声が相次いでいる。

「同社によると、1月に発表した同期の連結業績よりも売上高は400億円少ない4600億円になり、純利益は46億円減の126億円になるとの見通しを明らかにしました。修正理由としては、ビッグモーター社の不正問題に起因した中古車業界への懸念が高まったことに加えて、報道の影響によって来客数や販売台数が減少したことを挙げているのです。なお、ネクステージは組織ぐるみで不正をしているような印象を与える報道等に対しては、『法的措置をとることを検討している』ことをかねてより明らかにしています」(モータージャーナリスト)

 ネクステージにはビッグモーターと同様に不正をしているのではないかとの疑惑の報道が相次いだが、8月23日に自主調査をした結果「不正は確認されなかった」と発表した。しかし、直後に複数の従業員が客から買い取った車両に友人の名義を使い、本来必要のない任意保険の契約をしていたことが判明。9月11日には社長だった浜脇浩次氏が辞任している。

「不正が発覚して以降、マスコミは連日のように報道を行っていて、株価は年初来高値からほぼ半減してしまっていますから、事実ではないことを報じるマスコミがあるとしたら、腸が煮えくり返るのは当然でしょう。ただ、不正があったのは事実であり、それによって社長も辞任しているわけですから、株主に悪い印象を与えたくないという思いもあるかもしれませんが、業績悪化は報道のせいとしてしまうのはむしろ企業イメージを低下させてしまう可能性があると思います」(同)

 ネット上の声を見ていると、業績悪化の原因は違うところにあると考えている人が多いようだ。

(小林洋三)

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