「買い値がつかない」は本当だったのか「ブックオフ」不正会計で疑惑広がる

「本を売るならブックオフ♪」でお馴染みの古本販売チェーン「ブックオフグループホールディングス」は6月25日、子会社が運営する複数の店舗で、従業員が架空の買い取りや現金を不正取得していた疑いがあると発表した。

 今後、外部の弁護士らで構成する特別調査委員会を設置し、国内外のすべての店舗で棚卸しを行い、実態解明と再発防止策の策定に取り組むとしている。

 ブックオフに本を売りに行ったことがある人はわかるだろうが、一部の商品は「買い値が付かない」と買い取りを拒否され、そのまま「無料」で手放してしまうケースも少なくない。無料で引き取った本をいくらかで買い取ったことにしたり、またはまったく架空の買い取りを計上し、現金を不正に入手していた可能性もある。しかもこれらが複数店舗に及ぶというのだから、SNS上では「古本業界のビッグモーター」などと揶揄する声が広がっている。

 ブックオフコーポレーションの元代表取締役社長の橋本真由美氏は、タレントの清水国明の実姉で、清水本人もブックオフのイメージキャラクターとしてテレビCMに出演していたことがある。清水は現在、東京都知事選挙に立候補しており、事件の影響が懸念される。

「ブックオフは2007年に5月にもグループぐるみの不正会計が発覚し、創業者の坂本孝会長が退任。社長の橋本氏も、常務時代に架空売上げの計上を黙認したとして社長を退任しています。清水がブックオフのCMに出演していたのは2002年から2013年までですが、いまだに同社のCMキャラクターのイメージが強いため、選挙戦に影響する可能性は否定できません」(週刊誌記者)

 ブックオフではこれまでにも、客から買取価格が曖昧だという指摘が寄せられていた。「ビックモーター」の「他店より1円でも安ければご相談ください」のキャッチコピーじゃないが、「今なら」「どこよりも」などの謳い文句には、注意が必要かもしれない。

(ケン高田)

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