「無印良品」を運営する良品計画は7月2日、2020年9月~21年5月期の連結業績を発表し、同期としては営業収益、営業利益ともに過去最高を記録していたことが明らかとなった。20年3月~5月期は98年の上場来初の赤字に転落していたが、一転してV字回復となった理由な何なのか。
「同社の決算短信によれば、営業収益が3450億円で前年同期比で14.6%増、営業利益が351億円の同173.2%増となりどちらも過去最高を記録しました。前年同期は米子会社が経営破綻したことで特別損失を計上したこともありますが、それを踏まえても今期の無印は絶好調だったといえるでしょう」(経済ライター)
「無印良品」は巣ごもり需要による衣料品や生活雑貨の売上が好調だった。昨年、10月には秋冬シーズンの衣料品72アイテムの値下げを実施し、ユニクロとの競合やブランドのイメージ低下を心配する声もあったが、結果的にはうまくコロナ禍の追い風に乗った格好となった。
「また、衣料品や生活雑貨よりもさらに好調だったのが食品です。『無印良品』ではもともとレトルトやフリーズドライ製品など数多く扱っていますが、昨年6月から直営既存店とオンラインストアの売上が前年同期比を上回り続けており、特に9月には前年同期比190%を記録するなど驚異的な売上を記録しています。コロナ禍で中食の需要が伸びているのはもちろんですが、レトルトやフリーズドライなど保存が効くという点も売上を押し上げた要因になっているとみられています」(経済ライター)
良品計画は今年5月には関東初のスーパーマーケット併設型店舗をオープンさせるなど食品事業の拡充にさらに力を入れている。今後は”食品の無印”としてさらに売上を伸ばしていくかもしれない。
(小林洋三)