HIS、過去最大の赤字「コロナだけではない」根本原因

 旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)が6月13日、2022年10月期第2四半期の連結業績(21年11月~22年4月)を発表。純損益が269億円と中間期としては過去最大の赤字となったことが明らかになったが、ネット上では赤字拡大の原因は《コロナだけが原因じゃない》と意外な指摘も見られる。

「同社はロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格の高騰や円安などの影響を受け、エネルギー事業の営業損失が94億円超と大きなダメージを受けました。ただ、やはりそれよりも主力である旅行事業が、新型コロナウイルスによる入国制限や渡航制限等の措置によって甚大な被害を受け、海外旅行取扱高はコロナ禍前の3%程度と厳しい状況が続いたことから、営業損失は147億円超とさらに大きな赤字となっているのです」(経済ジャーナリスト)

 しかし、HISの赤字拡大にネット上では、《以前のように航空券やプランが格安じゃなくなったのも大きいのでは? 結局は自分で探した方が良かったってことが増えた》《わざわざ代理店にお願いしなくても、ネットで安くて好きなプランが自分で組めるから利用することがなくなった》《ここじゃなきゃ体験できないプランもないし、ここじゃなきゃ泊まれないホテルもない。顧客が高い金を払ってでも利用したいと思わせるものがない》などコロナ以外にも原因があるとする意見が散見される。

「同社は格安航空券のほか日本国外を主体とした比較的価格の安いパッケージツアー商品が主力ですから、コロナの影響が大きかったのは間違いありません。昨年12月に発覚した子会社2社が『GoToトラベル』の給付金を不正に受給していた問題も大きなダメージとなったのは間違いないでしょう。ただ、指摘されているように、旅行代理店にお願いしなくても、宿や航空券の手配を簡単にネット上でおこなえる時代になりましたから、それでHISを利用しなくなったという人も少なからずいるでしょう。徐々に各国の入国制限が緩和されているので、今後はどんどん海外旅行需要は復活していくと思いますが、もしかしたら旅行代理店の需要はコロナ禍前ほどには戻らない可能性もあります」(旅行ライター)

 旅行代理店には新たな壁が立ちはだかっているのかもしれない。

(小林洋三)

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