夢グループ石田社長が激白「空き瓶回収の20倍儲かる!」酒屋で遭遇した初めての広告ビジネス

 皆さんこんにちは! 夢グループ代表取締役社長の石田重廣です。
 
 さて、今回は前回の続き。僕が10代後半に初めて会社を起業するまでのお話になります。
 
 大学受験を諦め、数々のアルバイトを経て正社員の飛び込み営業マンとなった僕はメキメキと頭角を現したものの、わずか3カ月でクビになりました。理由は、ちゃんと営業成績を上げていたからいいやと思って午後からパチンコ三昧な毎日を送っていたから。考えてみれば当たり前の事なのですが、当時の僕はそうした規則、ルールというものがあまりよく理解できていませんでした。
 
 アルバイトでも社員になってもクビ。結局、僕は雇われる側じゃどこに行ったってダメなんだ…。そこで一念発起して、“よしっ!自分でお金を稼げるようになろう”と、考えたのです。
 
 とはいえ、お金を生み出すアイディアなんて、そうそう思いつきません。何かお金を稼げる方法はないだろうかと考えながら街をブラブラと歩いていたところ、シャッターの閉まった酒屋さんの前を通りかかったんです。そこには所狭しとばかりにコーラやビールの空き瓶が詰まったケースが山積みになっていました。

 それを見た途端、閃いたんです! 当時はコーラやビールの空き瓶を酒屋さんに持って行けば1瓶10円ぐらいで買い取ってくれました。早速、翌日から自転車で街中の空き瓶を集めました。そして集めた空き瓶を翌日、酒屋さんに持って行って、お金に換えてもらう。そんな事を10日ほど繰り返していましたら、いつも瓶を売りに行く酒屋のおじさんにこう聞かれたんです。

「お兄ちゃんさ〜、毎回いっぱい瓶を売りにくるけど1回もうちで買った事ないよね」と。そこで僕はすかさずこう言うわけです。

「いやぁ〜僕、まだ19歳ですから。先輩たちが飲んだものを持って行けって命令されちゃうんです」

「そうなんだ、可哀想に」と、おじさんの同情をひいたその時、「毎度どうも〜!」と勢いよく集金人のような人がやって来ました。ふと見ると、手にはポスターより少し大きめの紙切れを持っています。僕は固唾を呑んで、じっとそのやりとりを窺っていました。

 すると、紙切れを受け取った酒屋のおじさんは、なんと8000円もの大金をその集金人に手渡していたのです。僕は愕然としました。だって、重い瓶を2ケース分運んでも僕はたったの480円。なのに、紙切れ1枚に8000円です!
 
 “あの紙は一体、何なのだろう?”そう思った僕はおじさんに聞きました。「すみません、あの紙切れ1枚に8000円も支払った理由はなんですか?」と。
 
 すると、おじさんはその紙は店の広告が入った町内会の地図だと教えてくれました。よくよく見てみると、確かに町内会1軒1軒の家や店の地図が記されていて、その余白部分に不動産や信用金庫、酒屋などの広告が入っていました。1枚の紙に20軒の広告が入っていましたから、ざっと計算しても8000円×20軒=16万円。え〜っ! 16万にもなるのー!? 
 
 これは儲かるぞ! そう確信した僕は早速、新たなビジネスチャンスに飛び乗るために都心の書店へと向かうのでした。

石田重廣(いしだ・しげひろ)株式会社夢グループ、株式会社ユーコー代表取締役社長。1958年7月1日生まれ、福島県出身。自ら出演する「夢グループ」のテレビショッピングで大人気。昨年、保科有里とのデュエット曲「夢と…未来へ」で歌手デビュー。

ビジネス