むろん正式な船出はまだ先のことながら、ネット上では、新党に合流しそうな人選が先物買いされている。高市早苗経済安全保障担当相(62)、杉田水脈議員(56)、小野田紀美防衛政務官(40)など保守派議員の名前が続々と上がっているのだ。
関西のお化け番組「探偵! ナイトスクープ」の元チーフライターで、大阪を主戦場とする百田氏に関し、在阪ジャーナリスト・吉富有治氏はこう語る。
「現時点での感想を述べると、政党の立ち位置としては『NEW保守』ということなのでしょう。そこには日本全体の右傾化があって、その受け皿が必要なのだという空気感を感じ取って政党を立ち上げたのだと思います。ただ自民党を批判しつつもシンパシーを感じている。この点は、日本維新の会とよく似ている。特に安倍元首相を例外中の例外としているあたりは、橋下・松井両氏が安倍・菅の両政権下での中央政界との近さを売りにしていたという点で瓜ふたつと言っていい」
やはり「安倍継承」で保守層の受け皿となり、一大ムーブメントを起こそうというのが目算のようだ。
さらに、今後の勢力図についてこう語る。
「保守層の取り込みを狙うのならば、支持者を自民と維新で奪い合うことになります。そこで百田新党が無党派層をどれだけ取り込めるかが課題となるが、その部分でも百田さんのファンと維新支持者は層が重なることになる」
やはり、同じパイの奪い合いが見込まれるのだ。
実際、政治アナリストの伊藤惇夫氏は新党に対し厳しい見立てをする。
「いわゆる保守政党を作りたいのでしょう。印税で儲けて、お金はあるでしょうから。ただ位置付けとしては、例えば参政党のような最近流行りのミニ政党の1つにしかならない。一部の著名人やネトウヨには人気があるんでしょうが、ただネトウヨは選挙に行かないので、おのずと限界はある。合流候補ですか? 現職ではまず出てこない。確かに次の選挙では比例名簿から外される可能性がある杉田氏などは合流の可能性はあるが、それでも1〜2人がせいぜいでしょう」
だが、政治部デスクはこう強弁する。
「安倍派がいつ分裂するかも分からない状況で、自民党保守の支持者が行き場を失っているのは事実です。もし安倍派分裂で、党を割るような政界再編の動きになれば、永田町の台風の目となる可能性は否定できません」
果たして、百田新党が10.17結党で、秋台風に大化けするか?
*「週刊アサヒ芸能」9月21日号掲載