「百田尚樹新党」誕生「安倍を継承」の衝撃舞台裏!(1)「ゲリラ旗揚げ宣言」の狙い

 岸田政権に黒船が来襲! 新たな保守政党が旗揚げを宣言し、永田町に波紋が広がっている。「安倍継承」で政界に風穴を開けるというのだが‥‥。

「本日、9月1日、百田新党(仮)のX(旧ツイッター)のアカウントを立ち上げました!」

 くしくも防災の日に永田町を激震させる事態が発生した。「海賊とよばれた男」などのベストセラーを持ち、保守派の論客としても知られる作家の百田尚樹氏(67)が新たな政治団体を結成することを自身のユーチューブチャンネルでブチ上げたのだ。

 風雲急を告げるこの特報はSNS上で見る間に拡散され、ジャーナリストの有本香氏(61)と共に立ち上げたXのフォロワーは開設18時間で5万人を獲得。さらには夕刊紙の1面で大々的に取り上げられたこともあり、3日後には15万人を突破。日本維新の会の7.3万人を大きく抜き去り、自民の25.2万人に迫るまで大躍進したのだ。その後も、24.2万人(9月15日時点)まで急増させ、フォロワー数だけなら〝野党第1党〟をうかがう新勢力にならんとしているのだ。

 結党宣言の翌日、百田氏は同チャンネルで「自民党はなぜ腐ったか」について持論を展開。信奉していた安倍晋三元総理は「例外中の例外」として、自民党の世襲政治を批判。さらには党議拘束をかけてまで「LGBT理解増進法」を可決・成立させたこと、ガソリン代高騰にもかかわらず、税の一部負担を軽減する「トリガー条項」の発動を先送りしたことを口撃。とりわけ、中国に対し弱腰外交を続ける岸田政権への批判をあげつらったのだ。

 この「ゲリラ旗揚げ宣言」の狙いを、政治部デスクが解説する。

「百田氏は安倍元首相が亡くなった後は、発信力を失っていた。岸田政権に物申すことができないことが忸怩たる思いだったのでしょう。それならば自身が立ち上がり、保守層から有志を糾合して新党を結成しようと踏み切ったのでは」

 呼応するかのように、同じ保守系の作家の門田隆将氏(65)はXで、自身と福井県立大・島田洋一名誉教授(65)が夕刊紙に寄せたコメントを紹介しつつ、「現実野党と競合しないよう候補者を立て、岸田政治に引導を渡してほしい」と、反岸田で歩調を合わせる応援メッセージを寄せている。また、政治スタンスが近い、高須クリニック・高須克弥院長(78)もXで、「のんびりしてはダメ。これからの日本を担う若者、百田尚樹先生に保守老人かっちゃんからエール」と、喝采を送っているのだ。

 さらに百田氏は自身のユーチューブチャンネルで、「国会議員はおろか、県会議員も市会議員もいない」文字どおり「永遠の0」のようなスタートだとしながらも、飛躍的なフォロワー数の伸びにご満悦の様子。正式な党の立ち上げは10月17日とする一方で、「20万人に到達したら、正式な党名を有本氏に内緒で発表しちゃおうか」などと独りごちる、余裕しゃくしゃくな一幕を見せたのだ(その後、13日にフォロワー20万人に到達し党名を「日本保守党」と発表)。

*「週刊アサヒ芸能」9月21日号掲載

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