岸田自民には任せられない「日本保守党」大研究(1)支持拡大の勢いは維新に匹敵

 小説家としてヒット作を連発しつつ、大人気番組「探偵!ナイトスクープ」の構成作家も務めた百田尚樹氏が、満を持して立ち上げた政治団体「日本保守党」。結党からわずか1カ月で、政界の台風の目となりそうな気配がありありと伝わってくるが、その評価は千差万別。果たしてその実像とは‥‥。

 広辞苑で「保守主義」という言葉を引けば、そこにはこう記されている。

〈現状維持を目的とし、伝統・歴史・慣習・社会組織を固守する主義〉

 これまで、政界においてその役割を担ってきたのは、自民党に他ならない。もちろん、党内にリベラル寄りの意見を持つ議員らも数多く、一概に保守政党と断じることはできないが、歴代1位の連続在任日数2822日を誇った故・安倍晋三総理が自民保守層の旗頭だったことを考えれば、やはり近年の「日本の保守」は、イコール「自民党」だったと言って差し支えないだろう。

 対して「日本保守党」を設立した作家の百田尚樹代表、並びにジャーナリストの有本香事務総長は、結党の理由を、政権与党である自民党への怒りだと公言してはばからない。9月26日、報道番組「ABEMA Prime」に出演した百田代表はこう語った。

「私は去年までは自民党支持者だった。消極的支持だったが、安倍さんが亡くなってからの自民党の政策、動き、発言を見ていると、『もうダメだ』と。他に支持する政党がない、どうすればいいんだ、と考え、『自分が立ち上げるしかない』と(思った)」

 党の公式HPで閲覧できる「結党宣言」でも、国民が置かれた現状に対する不満をストレートに訴える。

〈他国に攫われた同胞は、何十年も祖国の地を踏むことができません。野放図な移民政策やLGBT理解増進法にみられる祖国への無理解によって、日本の文化や国柄、ナショナル・アイデンティティが内側から壊されかかっています。

 これらを座視していてはなりません。

 断固として日本を守る。そのための新たな政治勢力が必要です〉

 この理念への共感か、単に既存の政党に対する諦観や失望か、あるいはその両方からか。現在、日本保守党は猛烈な勢いで支持層を獲得している。

 名古屋市と都内で連日行われた街頭演説は、いずれも大盛況だった。9月1日に開設したX(旧Twitter)は、わずか2週間でフォロワー数が20万人を突破。11月3日時点で約32万8000人を数え、政党のXアカウントとしては国内最大登録者を記録している。また、年会費を要する「党員」の数も、5万3000人を超えた。永田町関係者が言う。

「当初は、よくある泡沫政党に過ぎないと甘く見ていた人は多いし、今でもそう侮る向きはある。だが、支持が広がるスピードは過去に例がなく『かつての日本維新の会のような勢いを感じる』と言う議員もいる」

 強烈にアンチ自民を打ち出すスタンスで、下がり続ける岸田政権の支持率を尻目に、くすぶる保守層の大きな受け皿になりつつある。

(つづく)

ライフ