バスケ日本代表の歴史的勝利が「まるでスラムダンクの山王戦のよう」と驚きの声

 日本・フィリピン・インドネシアの3カ国で共催中のバスケW杯。日本代表は8月29日のオーストラリア戦に89−109で敗れ惜しくも1次リーグ突破はならず、17〜32位を決める順位戦に回ったが、この大会でパリ五輪の出場権を争うアジアのライバルの中国、フィリピン、ヨルダン、レバノン、イラン代表は連敗で、アジア1位をキープして健闘を見せているところだ。

 そもそもFIBA(国際バスケット連盟)ランキング36位の日本が入ったE組は、ランキング順でオーストラリア(3位)、ドイツ(11位)、フィンランド(24位)のいる「死の組」と言われたグループ。にもかかわらず、2戦目のフィンランドを98−88で退けて、W杯で欧州勢から初となる歴史的白星をあげての1勝2敗でリーグ戦を終えたのだから十分な戦果があった。

 しかもこのフィンランド戦、第4クオーターで35−15と圧倒し、18点差を逆転するという劇的勝利。それがまた、バスケ漫画の金字塔「スラムダンク」の最大の山場である、絶対王者・山王高校vs湘北が再現されたようだったというのだから、あまりに「マンガ的」展開だと話題になっているのだ。

「3Pポイントの名手の富永啓生が、得意の3Pを決めて流れを変えたところは、マンガだと天才シューターの三井寿が決めた3Pと同じ。その後、フィンランドがアンスポーツマンライクファウル(故意に行ったと審判が判断したファウルで、2度目は即退場と罰則が大きい)を犯した辺りは、マンガだと山王のキャプテンで普段は冷静沈着に試合を進める頭脳役の深津一成が思わず犯してしまったインテンショナルファウルに、そして司令塔の河村勇輝が3Pを連発した場面は、天才・流川楓が覚醒したシーンに重なります。といった具合に、湘北高校が山王に大逆転勝ちする展開そっくりだったんです」(スポーツライター)

 さらに劇的に感じられるのが、日本バスケ界が歩んだ歴史的足取りが思い起こされるからだ。

「日本にバスケブームを起こしたスラムダンクが96年に連載終了したあと、日本バスケ界はプロ化を進める中で02年に2つのリーグに分裂。14年にはFIBAから資格停止処分を受けて国際試合の出場が禁止された過去があります。それが昨年、連載終了から26年半の時を経てファン待望の劇場版映画『THE FIRST SLAM DUNK』が上映。今年は世界で公開され記録的大ヒットとなりました。そんなタイミングでの今回の劇的勝利に、SNSでは『(もしマンガなら)これは盛りすぎ 編集者ならボツ』と書き込まれるぐらい、古くからのバスケファンにはたまらない展開だったわけです」(同)

 ところでその劇場版スラムダンク、配給元の東映が8月28日に公表したところでは、国内興行収入が155億円を突破して、「崖の上のポニョ」を超えて13位になったという。ならばこれにあやかり、日本代表は13位とは言わないまでも、順位戦トップの17位で終わって欲しいものだ。

(猫間滋)

*画像はイメージです。

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