シーズン途中にトレードでやってきたが、すっかり“中日の人”といった雰囲気である。
宇佐見真吾が移籍後3度目のサヨナラ打を放ったのは、8月27日のDeNA戦のこと。宇佐見のサヨナラ打は8月だけで3度目、「1カ月に3度」は88年落合博満、02年阿部慎之介以来3人目の快挙である。
「6月途中、正捕手・木下拓哉の故障でトレード移籍してきましたが、木下の復帰後も一塁でスタメン出場しており、石川昂弥が離脱した際には4番も務めました」(スポーツ紙記者)
宇佐見に一塁のポジションを奪われた格好のビシエドは、今季は度々体調を壊しており、これまで68試合出場で打率.241と“らしくない”状態が続いている。
「今オフ、立浪和義監督は再び大型トレードを含むチーム改革を進めていくでしょう。ビシエドも安泰ではありませんよ」(名古屋在住記者)
と、今後を懸念する声も聞かれた。
「宇佐見は打撃力には定評がありました。捕手としてのセンスはもう一つですが、打つほうは中日で覚醒したようなので、このまま一塁手でやっていくかもしれません。サヨナラ打を1カ月で3本も打つなんて、なかなかできません。そうした場面に打席が回ってくる運もありますね」(前出・同)
仮にビシエドがトレード要員となれば、相手球団も一軍クラスの投手を交換要員に挙げてくるだろう。
もっとも、ビシエドは過去の契約延長の交渉の席で「中日愛、名古屋ラブ」を訴えていた。中日に残り、宇佐見と正一塁手を争っていくのか。それとも、レギュラーを保証してくれるチームで仕切り直しするのか…。
宇佐見と交換で日本ハムに転じた郡司裕也も28日に快音を飛ばしたそうだ。いや、宇佐見とニアミスしたビシエドの今後のほうが気になる。
(飯山満/スポーツライター)