「本来、総選挙で国民の審判を受けてからでなければ与野党が合流するなど理屈が通らない。しかし、岸田政権はもはや人気浮揚策がゼロで、このままでは9月の臨時国会も乗り切れない。ましてや解散総選挙となれば、候補者を大幅増員し、議席数を増やそうとしている日本維新の会に対抗できない。下手をすれば過半数割れする可能性もある。議席ジリ貧なら最後の手段は敵を取り込むのみ。すでに玉木は労働担当大臣などの役職を用意し、賃上げの旗振り役をさせることが内定しています」(官邸キャップ)
反対に代表選で前原が勝てば、維新・立憲と合流し、17年の希望の党と同じく野党連合へ動き出すことになろう。いずれにせよ、投票日の9月2日が天下分け目となりそうだ。
「果たして、国民民主との連立で支持率がアップするとは思えない。それでも、人材もアイデアもないが何もやらないよりもマシという判断です。6月の解散は流れたが、秋解散も囁かれている。となると、やはり注意すべきは幹事長に誰を据えるか。現在出ているのは、茂木幹事長と鈴木俊一財務相(70)を取り換えるバーター案が出ているが、これに麻生副総裁が簡単に乗ってくるかどうか。重鎮の森山裕選対委員長(78)を据えればいよいよ選挙が近いということになるが、刷新とは程遠い人事になってしまう。最後は岸田総理の腹一つで決まることになる」(政治部デスク)
夏休み前、丸の内の書店で10冊の本を購入した岸田総理。早大の先輩・村上春樹の最新刊に加え、資源やチャットGPTなど初心者向けの入門書ばかり。いまさら、付け焼き刃で学び直ししてどうなるのか。
最後に鈴木氏がこう諫める。
「岸田総理は、国家観や大きな理念があり、それに基づき政策を進めるタイプの政治家ではない。むしろ昨日までやらないといったことをいきなり始める場当たり政治で、現在も支持率を上げるためにガソリン補助を延長するなどと言い出している。今後、外交でポイントを稼いで多少支持率が上がればこの秋にも解散を打つ可能性は高い」
前門の虎後門の狼、もはや土壇場に追い込まれた岸田内閣の行く手には針の筵が待つのみ。
*週刊アサヒ芸能9月7日号掲載