ワグネルが「教育関連会社」に衣替え ベラルーシで法人登記した真の狙いとは

 隣国ポーランドに向けた陽動作戦なのか、あるいは本気で軍事会社からの撤退を考えているのか? 6月にプーチンに刃を向けた「プリゴジンの乱」で、ベラルーシに部隊を移したロシアの民間軍事会社「ワグネル」が、なんとベラルーシで「教育関連会社」として登記されていることが16日、RIA(国営ロシア通信)の報道で明らかになった。

 RIAによれば、8月4日付で法人登記されたのは「有限会社ワグネル・グループ」。所在地はワグネルの軍事キャンプがあるベラルーシ東部モギリョフ州にある村で、登記簿によれば、業務内容は「教育その他」となっている。主な活動は外国語、コンピューター、サバイバル訓練などで、ベラルーシ軍の訓練にあたるのではないかとみられている。

「実はこの場所には、すでに7月にプリゴジン氏が経営する不動産企業グループ『コンコルド・マネージメント・アンド・コンサルティング』が法人登記されています。今回登記された会社は『教育その他』とあるものの、設立の目的が具体的に明らかになっていないため、隣国のポーランドをはじめリトアニア、ラトビアは国境警備を強化する中、その動向を注視しています」(ロシアウォッチャー)

 というのも、ワグネルはベラルーシに拠点を移した後、ポーランドとの国境近くで連日ベラルーシ軍との合同訓練を実施している様子が確認されているからだ。

「しかも、ベラルーシのルカシェンコ大統領が、『ベラルーシ軍は40年間も戦闘経験がない。ワグネルとの出会いを特別な機会とらえ、ともに訓練するように』と軍にハッパをかけたとの報道もあります。プーチンの指示がなければ使えないにせよ、ベラルーシには核も持ち込まれている。NATO諸国としては安心できない状況が続いています」(同)

 一方、ロシア国防省は、首都モスクワで開催された国際軍事・技術フォーラム「アーミー2023」において、ワグネルと関連のある諸国に対し、ワグネルとの協力関係を絶つよう要請したと、米シンクタンク「戦争研究所」(ISW)が伝えている。

「ISWによれば、ロシア国防省は西アフリカのブルキナファソ政府に対し、ワグネルの部隊を使い続けるならばロシアの支援を打ち切る、と最後通告を出したというんです。先日には、ロシアがワグネルに対する支援を打ち切ったとの報道もありましたが、いよいよロシアのワグネルに対する兵糧攻めが始まったということでしょう。資金の流れをストップさせ、縮小し、最後は自滅するのを待つ。プーチンのそんな思惑が透けて見えますね」(同)

 であれば、軍事会社に見切りをつけ教育関連会社への業務転換もありか? ただし、転んでもただでは起きないプリゴジン氏のこと、もう一波乱、二波乱が起きる可能性は捨てきれない。

(灯倫太郎)

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