全国各地に点在するホテルや病院、商業施設などの大型廃墟。なかには数十年放置されたままの場所も多く、ネット上では心霊スポットとして紹介されているところもある。
新潟市の中心部から南東に20キロほどの場所に位置するテーマパーク廃墟の「新潟ロシア村」もそのひとつ。当時の地元メインバンク・新潟中央銀行の主導のもと、「ロシアの文化を伝える」というコンセプトで93年に開業。だが、1年目から入場者数が伸び悩み、99年に同銀行が経営破綻したことで資金繰りが悪化。03年に休業となり、そのまま再開することなく翌年に閉園している。
ただし問題はその後で、面積約4万平方メートルの施設はそのまま放置。地元の若者たちが夜な夜な訪れる格好のスポットとなり、ネット上では「行方不明になった者がいる」との噂が流れたこともあったという。
そんな新潟ロシア村について廃墟事情に詳しい「廃墟巡霊」(ミリオン出版)著者の高島昌俊氏は、「噂はあくまで都市伝説」としたうえで次のように語る。
「09年に不審火が原因でホテル棟が全焼したのを機に解体が進められ、現在は巨大なメガソーラー発電所になっています。でも、タマネギ型のドームが特徴的なロシアのスーズダリにある世界遺産・聖母生誕教会を模した建物は現在も残されたままです」(高島氏)
ちなみにドーム部分の塗装は剥げており、営業当時は白亜だった美しい外壁も薄汚れている。さらに周囲にはがれきなどが散乱。ネット上には《バブル期に乱立したテーマパークの末路》《昔、海外の街並みを模したテーマパークは潰れてることが多い》といったコメントが並び、なかには最近投稿された思われる《プーチン大統領の今後を暗示してる》なんて意味深なものもあった。
「ここは現在の管理者がメディアに比較的協力的で、テレビやユーチューブでもたびたび紹介されています。でも、一般の方に解放しているわけではなく、敷地への立入は禁止されているのでご注意ください」(同)
〝不法入国〟はくれぐれも控えよう。