イギリスの金融系比較サイト「Finder」が実施した調査によると、AIチャットボットChatGPTが選出した株式銘柄と、イギリスで人気のある10種の投資ファンドのパフォーマンスを比較したところ、ChatGPTが選んだ銘柄の方が圧倒的に高い利益を出したことが分かった。今後は、AIチャットボットの投資への利用が加速するかもしれない。
「同サイトでは、ChatGPTに負債が少なく、持続的な成長を続けているなどのデータがある優良企業の株式38銘柄のポートフォリオを作成させ、個人投資家からプロまでが評価する人気ファンド10本とのパフォーマンスを比較したといいます。すると、3月6日から4月28日までの間に、人気ファンド10本は平均-0.8%の損失だったのに対して、ChatGPTが選んだポートフォリオは4.9%上昇。圧倒的なパフォーマンスの差を見せつけたというのです」(マネーライター)
なお、ChatGPTに今後上昇する株や為替を聞いても、「私は未来の出来事を予想することはできません」などと回答するばかりで、銘柄を教えてはくれない。しかし、Finderのように少し工夫して聞き方を変えれば、投資に役立つアドバイスを教えてくれるのだ。これは投資初心者にはかなり有効な投資法になるかもしれない。
「現在、機関投資家などの間ではAIによるアルゴリズム取引が主流になりつつありますが、個人投資家がAIを利用する機会はなかなかありませんでした。しかし、Finderの比較調査の結果を受けて、AIチャットボットを投資に取り入れる人も増えてくるかもしれませんね。ただ、AIチャットボットによる投資が広まれば広まるほど対策されることにもなりますし、今後も有効であり続けるかは難しいところではあります。ただ、そのうち個人投資家向けの専用AIが登場するのは間違いないでしょうし、確実に投資の世界はAIが中心になっていくと思われます」(経済ジャーナリスト)
人力では投資に勝てない時代が間もなくやって来るかもしれない。
(小林洋三)