「しない」尽くしの“経済オンチ”石破首相に期待できない「賃上げ・物価高対策」

 10月9日の衆院本会議で解散が行われ、その後、わずかながら上げていた日経平均株価は、3連休を挟み15日には一時およそ3カ月ぶりに4万円を超えた。翌16日は反落して800円以上下げる場面もあったが、それでも終値3万9180円と、4万円台を窺う高株価だ。

「9月27日の自民党総裁選では、財政出動派の高市早苗候補を破って緊縮財政派の石破茂総裁が誕生したことで株価は大きく下落。市場関係者の間では“石破ショック”と呼ばれましたが、それも今やどこ吹く風。今回上げたのは、ひとえにこれから本格化するアメリカ主要企業の決算発表で、半導体大手エヌビディアをはじめ好決算が期待されているからです」(経済ジャーナリスト)

 また9日の解散をもって10月27日投開票の選挙戦が本格スタートしたわけだが、過去の衆院選では株価は「必ず上がる」というアノミーも大きく手伝っているはずだ。負けることのないギャンブルなどそうそうないのだから。

 だが、その先はどうなるか。選挙で上がるというアノミーも“3カ月まで”というのが定説なので、年明けぐらいには効力が切れる。あとは、その時々の状況次第、という上げ圧力のない通常の状態に戻る。となると、やはり大きなカギは石破政権での経済政策ということになるのだが…。

「最近、書店の店頭などで堆く積まれている石破首相の著書の『保守政治家』ですが、そこに書かれている経済政策は、『豊かな日本』から『幸せな日本』への転換で、成長を端から否定。今どきスローライフ称揚で、保守ではなくリベラル丸出しのものです。また党首討論でも石破首相は経済政策について、任期中の増税は考えていないが消費税減税も考えていない。岸田政権で行われた定額減税も当面は考えていないということで、増税しないのは良いですが、あとは『しない』尽くし…。もともと“経済オンチ”とされる石破首相ですが、実際にその通り、特段の経済政策がないのだろうとしか思えません」(同)

 となると、お得意の安全保障関係以外の継続的な賃上げの実現や物価高対策といった目下の目標の実現も、ただ唱えているだけの念仏のような響きを残し、やはり軍事オタクでしかなかったということになりかねない。

(猫間滋)

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