ついに世界一になった大谷翔平のこの1年はまさに異次元の活躍だった。前人未踏の本塁打50本、50盗塁の「50-50」の偉業達成も、終わってみれば54-59。やることなすことすべて上手くいき、「まるでマンガの主人公のよう」と評された。加えて結婚1年目というプライベートでも大躍進のシーズンだった。
そんな大谷に、良くも悪くも強い影響を受けている企業がある。
東証スタンダードの上場会社で、東京・品川区に本社がある鉄鋼製品メーカーの「大谷工業」は、主に送電用や無線通信用の鉄塔の製造などを行う会社だ。名称に大谷とあるものの、大谷翔平とは何の関係もない。だが、大谷に何かあるたびに株価が上下することで知られる。絵に描いたように大谷の成績やプライベートの事象に絡んで株価が動くのだ。
「例えば、大谷が結婚を発表した2月29日は、翌日の3月1日の株価が8170→8940円に上がっています。そして『水原一平ショック』があった3月21日から22日は、8150→7610円に下落、『50-50』を達成した9月20日こそ、翌日の株価は下がっていますが、当日の終値の7270円に対し、高値で8450円を付けるといった具合で、ちょうど大谷の1年の浮き沈みをグラフ化したみたいに見えます」(経済ジャーナリスト)
では、世界一になった10月31日には、どれだけ株価が上がったのか…。
「好材料が出尽くしたということなのか、織り込み済みだったのか、12時50分に7390円だった株価は、12時51分にドジャースの勝利が決定した直後の13時には6650円と急直下。この日は6510円で終え、11月1日の寄り付きも6340円と、パッしないままの株価が続きました」(前出・ジャーナリスト)
まるで「シーズン終了」を告げるかのような株価の動きだったのである。もっとも、MLBのシーズンなど関係なく会社は続くので、SNSでは、《大谷工業にしてみたらいい迷惑》などという声も上がっていた。
そうはいっても、昨年もWBCの優勝など、大谷に何かあるたびに株価が上下していた同社。大谷の来季は二刀流の復活とも言われている。投打で大活躍すれば、来年の同社の株価も爆上がりは確実!?
(猫間滋)