日産が11月7日に発表した24年9月期の中間決算は、本業のもうけを示す営業利益が90.2%減の329億円、最終利益も93.5%減の192億円だった。この結果、同社は全世界で9000人規模のリストラを行うとし、生産能力を20%圧縮すると発表した。
「営業利益の比較で見れば、トヨタが2兆4642億円、ホンダが7426億円ですから、日産は完全に1人負けの状況です。SNSでもCMの名コピー『やっちゃえ日産』にちなんで《やっちゃった日産》と揶揄されていますね」(経済ジャーナリスト)
当然ながら株価も敏感に反応した。そもそも年初来500円台だった株価は、7月に500円を割ると、以後は400円台で低迷していたのだが、この決算発表で一気に370円台にまで急落したのである。しかも、同社の「危険度」を示す指標は、株価と対照的にうなぎ上りなのだ。
「企業が破綻した時のリスクを金融派生商品化(デリバティブ)したクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は、破綻リスクに備えた保険の機能を果たし、この指標の上下が企業の信用度を表します。CDS指数が高くなると信用不安が拡大しているということです。日産のCDSは、10月に約160ポイントの高値にハネ上がった後、決算発表を受けて180ポイント近くまで急上昇しました。世界的な格付けのムーディーズとフィッチも最低ラインで、S&Pではもはやジャンク債扱い。ともすれば信用崩壊の雪崩現象につながりかねません」(前出・ジャーナリスト)
果たして「やっちゃった日産」の復活はあるのか。
(猫間滋)